山本周五郎著 「夜明けの辻」
(新潮文庫)
国家老の家で尊王論者・山県氏の講義を聞いた伊兵衛は、この思想はいずれ身を滅ぼすことになる・・と考える。山県氏が家中の者に襲われ返り討ちにしたことが藩の内紛につながり、やがて伊兵衛は巻き込まれていく−「夜明けの辻」他「嫁取り二代記」「遊行寺の浅」「梅月夜」「熊野灘」「平八郎聞書」「御定法」「勘弁記」「葦」「荒涼の記」「大納言狐」の計11話収録
江戸時代(だけではないですが)は、天皇を第一と考えることは、幕府(武家による政治)を否定する考えということになり、処刑されても仕方が無いような状況でした。
そんな時代に「尊王論」を唱えることは、命がけといえます。この話に出てくる国家老は、山県氏の考えをただの「尊王論」とはとらえず支持します。
でも、こんな危なかしい思想には当然反対する者も出てくるわけで、更にその思想の違いを利用して藩の権力を握ろうとする者も出てきます。
伊兵衛は初めは反対意見だったのに、徐々に山県氏を支持し始め、友人との関係を絶ってまで信念を貫きます。
武家の場合、家主が指示する道を家族も着いて行く必要があり、この話でも母親と妹が伊兵衛の信じる道を着いて行くことになります。武士としての出世もありませんし、もしかしたら命を落とすかもしれない道でも、ただただ迷惑を掛けないように応援するしかないわけです。厳しい時代ですね・・。
考えさせられたり、感動する話も多いですが、「嫁取り二代記」のように笑ったり、スカッ

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