今野敏著 「花水木」
安積班シリーズ10
(ハルキ文庫)
東京湾臨海署に障害事件が起き、被害届が出された。些細な喧嘩だったが、被害者が告訴したためその届けを送検した。その翌日、今度はお台場で死体が発見され捜査本部が設置されたが、須田刑事は喧嘩の被害届けに疑問を抱き、独自に捜査を始めた−「花水木」他「入梅」「薔薇の色」「月齢」「聖夜」計5編収録
「ハナミズキの匂いがしていた」と被害者が証言をした・・と聞いて疑問に思った須田刑事。「あまり有名でもないし、季節感もピンとこないような“ハナミズキ”のことをなぜ出したのか?」ということが彼のアンテナに引っかかったわけです。
細かいことが気にかかる須田刑事のお陰で二つの事件は解決していきます。
「入梅」は、コンビニ強盗の話。課長から「村雨に警部補昇進試験を受けるように説得するのも係長の仕事だ」と諭され、仕方なく村雨に話そうとする安積係長でしたが・・。村雨の気持ちも聞けてホッとしました

「薔薇の色」は、小さなバーで推理する話。行きつけのバーで飲んでいると、速水にけしかけられる形で簡単な推理ゲームをすることになった安積、村雨、須田の三人。椅子に座ったままで行われる推理ゲームはなかなか無いシチュエーションで、面白く読めました。
「月齢」は、狼男が目撃され、大騒ぎになる話。満月で蒸し暑い日の夕方、小さな事件が次々起こり、忙しくなるのですが、そのうち“狼男”の目撃情報まで・・。結末が面白かったです。
「聖夜」は、傷害事件の被害者が病院から抜け出した話。クリスマスイブなのに忙しく働く安積班のメンバーたち。素敵な奇跡がいっぱい起きる話に気持ちもほっこりした感じです。
ドラマ化されたのを見た後で読んだ作品です。ドラマ化はかなり楽しみにしていたのですが、内容はあまり好きにはなれず・・


それでも2回くらいは見たので、原作に戻ったときにドラマのイメージが付いてしまっているのでは?と心配でしたが、1、2ページ読んだらすっかり佐々木蔵介さんは消え、スムーズに入り込めました

私はやっぱり原作の安積さんが好きです。須田さんも村雨も黒木、桜井も・・と再認識したのでした

<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
「最前線」
「半夏生」
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引き続き「ベーカリーは罪深い」
もうすぐ読み終わります。
すごく多いみたいですね。
私は基本ドラマは観ません。
以前お気に入りの小説が映画になって
観に行ったのですが、
あまりにもその映画がつまらなくて
ほんとがっかりしてしまいました。
小説は小説だけで楽しみたいと思っている
ある意味意地の悪い女です(笑)
私は流行のドラマはあまり見ませんが、サスペンスとか刑事ドラマとかは好きで見ます。
でもやはり原作が好きすぎると映像化されても楽しめないのかもしれませんね・・。
ドラマが気に入って原作を読む・・というパターンは(例えば横山秀夫作品とか)、今の所成功しています。