今野敏著 「最前線」
安積班シリーズ8
(ハルキ文庫)
有明埠頭のそばで金融業者の遺体が発見された。合同捜査本部が設置されたのは竹ノ塚署。そこには懐かしい顔があった−「最前線」他「暗殺予告」「被害者」「梅雨晴れ」「射殺」「夕映え」の6話収録されている短編集。
このシリーズの短編集では、必ずといっていいほど安積班のメンバーを個々にピックアップしている話が入っています。今回は、「最前線」で元安積班のメンバーだった大橋が出てきます。ベイエリア分署に居た頃の大橋はかなり目立たず控えめで無口な人でしたが、今回は移動先で人格が変わったかのように、立派な刑事になって登場です。
「暗殺予告」は、外国の有名俳優の警護と、蜜入国者の捜査に借り出されて、意外な関係を見つけていく話。安積班が全員で大活躍です

「被害者」は、昔娘を殺された被害者の男性が今度は犯人として逮捕された話。安積警部補は自分と容疑者を重ねてしまって、娘との関係を反省したりして・・。
「梅雨晴れ」は、梅雨の長雨の影響で、みんなの歯車がかみ合わなくなる話。梅雨って確かにささいなことでイライラすることありますね


「射殺」は、ロサンゼルス警察の捜査官と協力して捜査し、犯人を逮捕する話。安積警部補の意外な過去が明らかになります

「夕映え」は、安積警部補が新人の頃に教えてもらった先輩刑事と捜査本部で出会う話。定年を迎えるその先輩との関係に悩み、珍しく部下の村雨部長刑事に相談する場面もあり、信頼関係の強さを感じます。
今回もあっという間に読めてしまう面白い作品集でした。
<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
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