今村翔吾 著
「双風神 羽州ぼろ鳶組」
(祥伝社文庫)※電子書籍
京の淀藩常火消・野条弾馬は、己が目を疑った。大火の折に生まれ激甚な災禍をもたらす炎の旋風”緋鼬”が大坂の町を蹂躙していた。続発する緋鼬に、それを操る何者かの影を見た弾馬は、新庄藩火消頭取・松永源吾に協力を頼む。源吾は、天文学者でもある風読みの加持星十郎らを連れ大坂へ。しかし、ぼろ鳶組は、炎の怪物を眼前にすると大きな挫折を味わうことに…。−出版社HPより−
星十郎がメインの巻。風読みという火消にはとても重要な役目を担う人です。
江戸時代の火消しは消すことも大事ですが、燃え広がらせないことはもっと大事。そのために隣家を壊す必要があり、どちらから壊すべきかを風の向きや流れによって決めます。
うまく風を読まないと燃え広がってしまうのでその時々で完璧に流れを読む必要があるわけです。
ぼろ鳶組の誇りでもある星十郎には、因縁の相手がいました。その人たちと対決するために京へ行く予定でしたが、大坂での不審火の調査にも向かうことになります。
緋鼬(あかいたち)という炎と風が巻き上がる現象が発生する火事が多発していました。その原因と消火の仕方を調べるべく星十郎が駆り出されたのです。
特異な火事ということで、お頭である源吾も共に大坂へ。大坂で消火活動に協力するつもりが、なかなかうまくいかない源吾は、大坂と江戸の火消しの違いを目の当たりにします。
江戸は武士が火消しをしていますが、大坂は町人。ですから、それぞれの組がそれぞれの考えと方法で動いている上に、誇りもあるためなかなか協力できません。上からの調達なんてありませんし、武士から命令しても軽く無視されてしまいます。
大坂の火消したちも江戸に負けないくらい個性的な人ばかり。たくさん登場して名前がわからなくなりましたが、読みごたえはありました。
個人的に気に入り始めた人が亡くなってしまったのが本当に残念でしたが、星十郎の成長ぶりは嬉しくなりました。
ただ、最後まで犯人たちのことがすっきり解決しなくて、今後も何か起こしそうなのが心配です。
まだ続くので読んでいきます。
<羽州ぼろ鳶組シリーズ>
「火喰鳥」
「夜哭鳥」
「九紋龍」
「鬼煙管」
「菩薩花」
「夢胡蝶」
「狐花火」
「玉麒麟」
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