2024年12月24日

伊坂幸太郎「モダンタイムス 上下合体版」

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 伊坂幸太郎 著
 「モダンタイムス 上下合体版」
 (講談社文庫)※電子書籍


恐妻家のSE(システムエンジニア)渡辺拓海はあるサイトの仕様変更を引き継ぐ。プログラムの一部は暗号化されていて、前任者は失踪中。解析を進めていた後輩や上司を次々と不幸が襲う。彼らは皆、ある特定のキーワードを同時に検索していたのだった。
『魔王』から五十年後の世界。検索から始まる監視の行き着く先は──。
−出版社HPより−


お気に入りで結構読む作家さんなのですが、時々よくわからない話があるんですよね。これも正によくわからない・・結局何が描きたかったんだろう??


物語の冒頭、主人公と思われる人が自宅の椅子に縛られて暴行されている場面から始まります。その時点で、この話は多分好きではないタイプのやつだな、と嫌な予感はしました。


暴行されつつも、加害者と被害者がなぜか禅問答のような会話を繰り広げるところがこの作家さんらしいと言えます。暴力シーンでもどこかクスッと笑える部分がある感じ。

暴行されている理由は、どうやら彼が奥さんに隠れて浮気をしていると疑われていて、奥さんに頼まれた犯人が「浮気を認めろ!」と言っているらしいです。なんて暴力的な奥さんなんだと呆れてしまいますが、実は今回が初めてではなさそう。

暴行されながらも終始「浮気なんてしていない」と言うので、浮気していないのに疑われて可哀そうにと思っていたら、実は本当に浮気しているという展開。なんなんだよ!


そんな場面の後は、いつも通りに仕事に行くのですが、会社でも不穏な展開に。SEの仕事をしている彼は色々なプログラミングをしているのですが、とあるサイトの仕様変更の仕事を引き継ぐことになり、会社ではない指定の場所へ行きます。

そこにいた人物と共に仕事を始めるのですが、何やら不思議なサイトだと気づいていきます。そして前任者が失踪していること、そのプログラムに関わった人たちに何かしらの事故や事件が起きてしまうことがあり、このサイトを運営する会社を疑い始めます。


起きる事故や事件が、何だかいたたまれないというか、大きすぎてぞっとする物が多くて、だんだんと読むのが辛くなりました。被害に合っている人たちが意外と重く受け止めていない風に、どこかコミカルに描かれているのもまた辛かった。

なぜそんなことが起きていたのか?の理由が判明しても納得できず。まあ納得いくような理由なんてあるわけがないんですけど。

本当にこんなことが起きたとしたら怖すぎです。大きな組織が絡むとろくなことがないです。


最後まで救いが無いような、後味も決して良くない読了感でした。軽いタッチで描かれるのでそこまで落ち込まないですけど、やっぱり救われないなと思いました。


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posted by DONA at 15:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:伊坂幸太郎
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