2024年11月13日

砂原浩太朗「いのちがけ 加賀百万石の礎」

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 砂原浩太朗 著
 「いのちがけ 加賀百万石の礎」
 (講談社文庫)※電子書籍


加賀藩の祖・前田利家が流浪した若きころから大名になった後まで付き従った、股肱の臣・村井長瀬。桶狭間、長篠、賎ケ岳・・名だたる戦場を駆け抜け、利家の危難を幾度も救う。主君の肩越しに見た、信長、秀吉、家康ら天下人の姿。命懸けで忠義を貫き通し、百万石の礎を築いた男を、端正な文体で魅せる傑作。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。

読みやすい文章だったのですが、長すぎてなかなか読み終わらず。壮大な話だったな〜と思ったのですが、実は短い期間の、狭い場所の話なんですよね。


前田利家って名前はよく知っていますし、戦国時代の小説やドラマなどでも必ずと言っても良いほど登場する人物ではありますが、はっきり言って誰の家臣だったのかも、どんな人物だったのかも知りませんでした。

戦国時代は結構好きなんですけど・・


そんな、名前は知ってるけど何をやってるかは知らない、前田利家の家臣・村井長瀬の人生が描かれています。人生と言っても、すでに利家の家臣になっているので幼少時代は出てきませんが。

彼の目を通して、前田利家がどんな人物なのか?が描かれていきます。

始めは織田信長の家臣でしたが、どうやら破門されたようです。それには理由があって、確約があるわけではないですが、いずれ家臣に戻れる状態でした。でも村井からすれば、本当に戻れるのか?と不安になる程度の約束で、彼は心配でたまりません。

この時代はいかに戦で功績をあげるか?で出世が決まるので、利家は家臣と共に大将首をとったり、信長の元へいち早く駆けつけたりすることでアピールをしていました。

普通であれば、功績をあげなければ!と野心むき出しにして必死で戦うものでしょうが、利家は静かな闘志というか、闘志すら見せないような穏やかな人物に思えました。でも実際には戦の腕も高く、志も高く、家臣に対しては優しくも厳しいというなかなか魅力的な人物で、村井が惚れるのもよくわかる人でした。

この時代の武士らしく、多くを語らないので、実際の思いはどうなのかわかりませんが、ただ主君のために、家臣の為に、と必死で生きていたようです。


信長亡き後は、秀吉に、家康に・・と多くの武士と同じ道を辿っていきます。武士としての人物像はもちろん、時代の流れもしっかり見て、どちらに付くのかを冷静に考えることも出来るようです。


なかなか魅力的な人物なのだと思えた利家。今後はもう少し注目していきたいです。


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タグ:砂原浩太朗
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