
椹野道流 著
「時をかける眼鏡 魔術師の金言と眼鏡の決意」
(集英社文庫)
嵐はマーキス島の農作物や建築物、人々に大きな爪痕を残していった。復興に必要な労働力確保のため、ロデリック王は遊馬の進言を受け入れ、囚人たちの更生に取り組む決意をする。また、復興にかかる資金調達のため、遊馬はマーキス島のある「資源」を有効に使うべきと提案してロデリック王やクリストファーを驚かせるのだが・・!?法医学者が描くタイムスリップ法医学ミステリー第8巻!−裏表紙より−
読んだのは久しぶりでしたが、すぐにこの世界観に引き込まれましたし、戻って来た感じがしました。
そういえば、前作ではマーキスに嵐が来たんでした。
その被害がまだまだ復興されていない状態の中話は進みます。
人命の被害は最小限に食い止めたわけですが、家屋などの被害は甚大な物で、なかなか簡単には復興出来ません。
そんな中、ロデリック王が決断したのは、囚人たちを働かせるということでした。この決断は本当に難しいとは思いますが、労働力不足を解消するためには必要なことではあります。
国民がまだしっかり食料の確保が出来ていない中、囚人たちが何もしないで食事を摂るのは確かに違う気がします。「働かざる者、食うべからず」ですね。動けない人は仕方がないですが、健康であればだれでも働いてもらいたいと思うのは当然です。
更に、復興にかかる資金を集めるため、島を観光地にしようと進言するアスマ。島で生まれ育った人たちからすると普通の日常でしかないわけですが、他所から来たアスマにとっては珍しい物が多く、良い観光名所になるのでは?と考えます。
復興途中の様子を見せるのも良いかもしれませんね。
観光地にするためには、ガイドマップが必要ということで、島の色々な所を視察することになるアスマと師匠のクリストファー。
島のはずれにある地を訪ねた所、不審な船が流れ着きます。その船には不可解な状態で亡くなっていた遺体が・・。
いよいよ、アスマの法医学の知識を生かすところにきました!
そこからはほんとあっという間に終わってしまうんですけどね。
でもとにかく良かった良かったで終わるこのシリーズは、ついつい続きも読みたくなってしまうんです。
今回、アスマをこの世界に呼び寄せた元凶でもある魔術師から重要な言葉をもらい、自分の存在意義を悩まず進めるようになったアスマ。ますます強くなった気がします。
次はいよいよ観光スタートでしょうか。早く読みたいです。
<時をかける眼鏡>
「医学生と、王の死の謎」
「新王と謎の暗殺者」
「眼鏡の帰還と姫王子の結婚」
「王の覚悟と女神の狗」
「華燭の典と妖精の涙」
「王の決意と家臣の初恋」
「兄弟と運命の杯」
↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。

