2024年09月13日

今野敏「秋麗 東京湾臨海署安積班」

9784758446457.jpg

 今野敏 著
 「秋麗 東京湾臨海署安積班」
 (ハルキ文庫)


臨海署近くの海で遺体が発見される。身元は、かつて特殊詐欺で逮捕された戸沢守雄という七十代の男だった。捜査員たちが、遺体発見の前日に、被害者と釣りをしていた猪狩と和久田という男性に話を聴きに行くと、二人とも何かに怯えた様子で、その後、消息が途絶えてしまう。一方、刑事の水野は、東報新聞の記者山口に、先輩記者からセクハラを受けていると相談される・・・。男は人生の終盤で何故殺されたのか。ロングセラー「安積班」シリーズ、巻末に刊行記念インタビューを加え、待望の文庫化。−裏表紙より−


大好きなシリーズ。今回は長編でした。

長編は読みごたえがあって面白いのですが、どうしても事件が大きくなってしまい、捜査本部が出来るので、安積班のメンバーの存在が霞んでしまうのが残念というか、寂しい気がします。

須田と水野は安積の近くにいて、活躍は読めたのですが、他のメンバーはほとんど出てこないんですよね。それが残念です。


今回のテーマは「老い」とか「老後」とかそういう感じでしょうか。被害者は70代、直前に行動を共にしていた人たちも70代。この歳になって殺害される理由は何なのか?

犯人の動機は全く理解不能でしたし、くだらない物でしたけど、被害者側にも非はあるとは思いました。穏やかな老後の生活に、ちょっとしたワクワク感をプラスしたいのはわかりますが、犯罪はダメでしょう!

他に何かなかったの?とは思います。でも殺されるほどではないですけどね。


捜査本部に入っていませんでしたが、詐欺事件の捜査で協力した葛飾署の係長が良い味を出していました。彼を主役にした作品も描けそう。口調は優しいですが、決める所は決める、という感じで安積班長と似ている所もあってかっこよかったです。


そして、いつも関係ないのに首を突っ込んでくる速水も相変わらずバシッと決めてくれました。事件解決後もカッコいい一言があって、やはり彼も素敵です。今後も活躍してくれるでしょう。


事件以外に、水野が記者の山口から相談をされていることも取り上げられています。先輩記者からセクハラを受けているとか。どうやって解決させるのかと思えば、何ともくだらない理由でこの部分はいただけないと思いました。

安積班長が言うように、他にやり方があったでしょう!?としか思えず。「女性は女性であることを、若者は若さを、年配者は経験や人脈を武器にすればいい」というのはよくわかりますが、「女性であることを武器にする」方法が間違えていると思います。まあそれくらいしないと良い記事は書けないのかもしれませんが、色仕掛けでネタを取るのは違う気がします。


事件自体の解決もあっさりしていて拍子抜け感ありますし、セクハラ問題についても「あ、そうですか」って感じですが、このシリーズはそこがメインではないのでこれで良いと思いますし、今回も面白かったなとしみじみ感じます。

まだまだシリーズ続けてもらいたいです。


<安積班シリーズ>
「二重標的」
「虚構の殺人者」
「硝子の殺人者」
「警視庁神南署」
「神南署安積班」
「残照」
「陽炎」
「最前線」
「半夏生」
「花水木」
「夕暴雨」
「烈日」
「晩夏」
「捜査組曲」
「潮流」
「道標」
「炎天夢」
「暮鐘」


↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。

   人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

posted by DONA at 15:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:今野敏
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/191058404
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック