
伊坂幸太郎 著
「砂漠」
(実業之日本社文庫)※電子書籍
仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。麻雀に勤しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。一瞬で過ぎる日常は、光と痛みと、小さな奇跡でできていた―。実業之日本社文庫限定の書下ろしあとがき収録!明日の自分が愛おしくなる、一生モノの物語。−出版社HPより−
伊坂さんらしい作品です。
とはいえ、一見関係ない所で起きている出来事が、最終的には一気に繋がって・・という物ではなく、登場人物たちや彼らの日常や考え方などが伊坂さんらしいと思いました。
まだ未成年(選挙権はありますが)とは思えないような大人びたというか達観した雰囲気のある5人の大学生の物語です。
なにごとにも冷めている北村は特に老人のような言動が多いです。読み進めるとだんだん、彼も学生なんだと思える部分が出てくるんですけどね。それでもやはり達観しているなと思います。
北村だけではなく、他の4人もどこか冷めている感じで、熱い部分があまりないです。一応、恋愛などするのですがそういう雰囲気もなく進んでいく感じ。
「彼が好きだけど、でも嫌われたらどうしよう」・・なんてモジモジする系の話は苦手なので、私にはこのくらいが良い感じです。
始めのうちは、彼ら5人の学生生活が淡々と進められるので、読み進める意味あるかな?と不安になりました。ただこの作家さんなので人物が面白くて読んでしまう状態。
そしていきなり犯罪に巻き込まれてしまいます。急に起きた事件にびっくりして、この先どうなるのか!?とハラハラしたらまた日常に戻る。
何だか淡々としていると思っていたらまた進展があって、あっという間に解決。
そしてハッピーエンド・・というよりはちょっと寂しいけど現実的な結末。
なんだか淡々とした物語だな、と油断していると、感情の波に飲み込まれてしまうので要注意。
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