
近藤史恵 著
「幽霊絵師火狂 筆のみが知る」
(角川文庫)
料理屋のひとり娘である真阿は、病弱で部屋にこもりがちだ。そんな中、有名な幽霊絵師・火狂が店に居候することになり、真阿は彼を訪ねて話をするようになる。大柄で悠然とした火狂は、人には見えないものが見えるようだ。彼のもとには、絵に関する奇妙な悩みが集まってくる。犬の悪夢に怯える男、「帰りたい」という声に悩む巡礼者、手放しても戻ってくる絵―2人は、その謎を解き明かしていく。熱く静かな感動を誘う絵画ミステリ。−裏表紙より−
お気に入りの作家さんの作品なので買ってみました。が、内容的にはあまり好みではありませんでした。
幽霊絵師というジャンルがあるのを知らなかったですし、怖いのが嫌いな私には縁のない世界ではあるのですが、そこまで怖く感じることなく読み切ることができました。
真阿という料理屋の娘と絵師の交流を描いているのですが、一番ゾッとしたのは、最初の話だったかも。
真阿が病弱でずっと部屋にこもってなかなか健康にならないというのにも理由があったんです。ただの病弱ではなく・・・。それはちょっと怖かったかも。でも1話目で元気になった真阿の存在は、この話を怖くしすぎないためには大事だったと思います。
好奇心旺盛な真阿が絵師・火狂に色々質問してくれるお陰で、謎が解明されたり、彼女が優しく(?)寄り添うことで癒されたりすることがたくさんありましたし、話自体も明るくなる感じがしました。
世界が変わったばかりの時代の話なので、流行っている店だといってもこの先どうなるか?と不安になってもおかしくないのですが、さすがに箱入り娘だけあってそういう危機感はなさそう。
火狂とどこかに行けたら・・ばかりを夢見ています。
火狂も真阿に対しては憎からず思っているようですが、どちらかというと兄のような気持ちに近そう。2人が恋愛関係に発展しない方が読みやすい気がしますが、どうなるやら。
火狂にも色々問題がありそうですし、過去も明かされていませんから、今後どうするのか気になります。
霊的な物が好きでは無いので、続編を読むかどうか微妙ですが、火狂の秘密は知りたいですし、真阿がどんな人生を歩むのかも気にはなっています。
もし発売されたら、その時の気分で読むかどうか考えようか?
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