柴田よしき 著
「別れの季節 お勝手のあん」
(ハルキ文庫)
政一が献立帖作りに取り掛かり始めた。おやすの絵も使われて、紅屋の記録になるという。料理の道に邁進する日々。そうして正月も過ぎた折、お小夜から文が届く。里帰りをするのだが、その時におやすと人知れずに会いたいという。息子が病弱で苦労していると聞いていたおやすは不安を覚え……。開国をしたことで外つ国の話題が多くなり、料理人として新しい料理がもたらされることに胸躍りながらも、戊午の大獄は世相に暗い影を落とし、次第におやすの運命にも関わるようになってくる。待望のシリーズ第九弾!−裏表紙より−
題名を見たとたん、今回は悲しい展開なのだろうとは思っていましたが、まさかあの人との別れだとは・・。このシリーズでは久しぶりの号泣でした。
最近あまり登場しないと思ったらそんなことになっていたとは。今まで少しもそんな話がなかったから驚きました。
生まれた店が悪かったなと始めは思ってしまったのですが、最終的にはここに、この夫婦の間に生まれて幸せだと思えました。悲しい別れで泣いてしまいましたが、きっといつかまた会えるでしょうし、手紙でのやり取りもあるでしょう。
子どもの幸せのために決断したことを、心から応援したいです。
そして、やすにも色々と決断の時がきています。世の中も変革の時ですし、やすにとって良い方向に進むといいのですが。
紅屋の主人夫婦が隠居して少し離れた静かな所に引っ越すことが決まり、やすにとっては命の恩人とも言える旦那さんとの別れもやってきます。奥様にも目を掛けてもらったやすですから、寂しさもひとしおです。
隠居前の主人から重大な選択を迫られるやす。
この場面は読んでいてもドキドキしました。思わず「決められません」と答えたやすの気持ち、よくわかります。でもそれではダメなんですよね。
早く大人になることを要求される時代。今後の人生は自分で切り開くしかないんです。
結婚して主婦になるのも、料理屋を開くのも、紅屋で料理人をするのも、どんな選択をしたとしても、今後も応援していくつもりです。早く続きも読みたいです。
<お勝手のあんシリーズ>
「お勝手のあん」
「あんの青春〜春を待つころ〜」
「あんの青春〜若葉の季〜」
「あんのまごころ」
「あんの夢」
「あんの信じるもの」
「あんの明日」
「あんとほうき星」
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