
知野みさき 著
「深川二幸堂 菓子こよみ<二>」
(大和書房)※電子書籍
光太郎と孝次郎の兄弟が営む菓子屋「二幸堂」。如才なく得意先を開拓する美男の兄と、不器用だが才のある弟の作る菓子は、江戸深川にしっかりと根を下ろしはじめた―。王子のせせらぎのような水羊羹「壬」、生姜の風味爽やかな「夕凪」、香ばしさと舌触りが絶妙な栗饅頭「日向」、瑞兆を映す祝い菓子「冬虹」・・。孝次郎の作るとびきりの菓子が、縁を言祝ぎ、幸いを呼ぶ―。江戸の菓子屋を舞台に描かれる極上の甘味と人情と、ままならぬ恋。兄弟の絆と人々の温かさに涙溢れる珠玉の時代小説、待望の第二弾!−出版社HPより−
一作目からかなり深川に根付いてきた感があった二幸堂。
目立ってくると邪魔が入ってくるものです。
弟・孝次郎が元々奉公していた菓子店からの嫌がらせがいくつか。あちらも店主が変わったりして色々問題があるようです。
自分の店をたて直すことより、他人を蹴落とすことを考えている時点で、大したことない店なんですけどね。
元の奉公先から自分の弟弟子のような存在の人たちが追い出されてしまい、孝次郎を頼ってきます。二幸堂で雇えたら良いのですが、小さな店ですし、すでに女性を一人雇っているのでなかなか難しい状態でした。
店を大きくすることも考え、今の場所から近い所で良い出物はないか?と、兄・光太郎も探しているのですがなかなか見つかりません。
でも追い出された理由も納得できませんし、彼らの人柄はとても良さそうなので応援したくなります。
彼らがどうやって助けられたのか?は読んでもらったら良いのですが、本当に良い解決が出来て良かったと思えました。
そして、私があまり読みたくない恋の部分は、相変わらずもどかしい! 兄は何とかなりそうではありますが、弟の方がじれったい!
ウジウジ悩むくせに、やることやって、結局どうしたいのか!と頭を叩きたい気分になります。
この部分はきっとしばらく続くのでしょう。そこはなるべく真剣には読まないようにしたいです。
今回も問題が多発し、店どころではないような事態もありますが、相変わらず美味しそうなお菓子を生み出していく孝次郎の腕は惚れ惚れします。大店の主人などにも気に入られているので、これからもっと繁盛していくことでしょう。
今後の展開も楽しみです。
<深川二幸堂>
「一」
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