
椹野道流 著
「最後の晩ごはん 地下アイドルと筑前煮」
(角川文庫)
夜だけ開店、メニューは1種類。海里が働く芦屋の定食屋「ばんめし屋」に、迷惑な酔客が現れた。カラフルな髪色の彼女、レイナは、海里の役者時代のファンだという。しかし彼を見て失望し、品切れのトンカツを食べたいと言うなどやりたい放題。聞けば「人生最後の夜に、憧れの人に会い、大好物を食べたかった」らしい。実は彼女は地下アイドルで、未來に絶望していて・・。海里の新たな挑戦にも胸躍る、お料理青春小説第14弾!−裏表紙より−
ある大雨の日にやって来た女性、明らかに寄っていて、やたらと海里に絡んできました。昔から海里のファンだったと言うのはともかく、今の海里はひどいと目の前で酷評し、更にはその日品切れになってしまったトンカツ定食を食べたいと無理を言って、明らかに迷惑な客となり、夏神がうまく追い払います。
その女性はさすがに反省して別の日に来直すのですが、事情を聞いた所、なかなか不幸な人生だった様子。
地下アイドルとして活動していた彼女。グループのメンバーが次々と脱退して解散することになったそう。人生を終わらせようとする彼女に、海里は優しく声を掛け、夏神はどこか冷たく突き放すようにして対応します。
一見、厳しそうに思える夏神の対応ですが、よく考えるととても優しくて寄り添っているように思えます。自分には出来ないなと。やはり恋人や友人を亡くした彼ならではな気がします。
大好物のトンカツが食べたい!と言うわけですが、題名には「筑前煮」の文字が。??と思っていたら最後に登場します。
今回は筑前煮だからそこまで食べたくならないかと思っていたのですが、しばらくトンカツばかり出てくるので、食べたい〜!となりました。最近食べていないな・・・
夏神は相変わらずゆっくりですが、着実に前に進んでいますし、次回は海里に大きな展開がありそうで今から楽しみです。
前回誕生したカップルのその後も垣間見えてなかなか面白い巻でした。
続きも楽しみです。
<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」
「黒猫とドーナツ」
「忘れた夢とマカロニサラダ」
「海の花火とかき氷」
「聖なる夜のロールキャベツ」
「秘された花とシフォンケーキ」
「閉ざされた瞳とクリームソーダ」
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