
永野水貴 著
「恋した人は、妹の代わりに死んでくれといった。2−妹と結婚した片思いの相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら」
(TOブックス)※電子書籍
義理の妹の身代わりに異界の番人となったウィステリアは動揺していた。師弟関係を結んだ青年ロイドとの共同生活には全く慣れない。しかも、ウィステリアの相棒の聖剣を奪おうとする彼は、初恋の人と義妹の間に生まれた息子。この師弟関係はあくまで一時的なものなのに・・共に過ごすほどに弟子以上の大切な想いが大きくなる。いずれ来る別れの予感に苦しむ彼女に、ロイドは禁断の疑問を投げかける。「あなたは、かつて誰かに恋していたのか?」出会うはずのなかった師弟が予想外の急接近!孤独な戦闘系元令嬢×天才肌の傲慢系貴公子の師弟恋愛ファンタジー第2巻!−出版社HPより−
シリーズ2作目。
前作は何とも苦しい展開で、読んでいて辛かったですが、今回もまた辛かった・・。辛いというか苦しい。
前作の終わりくらいからどうやらロイドはウィステリアに好意を向けてきているな、と感じていたのですが、今回もどんどん好意を寄せていて、何だか恋愛感情になりそうな雰囲気。というか、もうすでに恋愛感情が出ていそう。
元の世界に戻れば白薔薇姫が待っているというのに。
ウィステリアに恋をするのは分かる気はしますが、ほんと、やめてあげてほしい!
ロイドが異界に残るわけにもいかず、ウィステリアが元の世界に戻ることもないこの状況で、これ以上彼女を惑わすのは罪というものです。親子そろって彼女を苦しめるのは本当に腹が立ちます。
それにしてもウィステリア、異界に一人でいて(聖剣が一緒とはいえ)、よく狂わずに済んでいると思ったら、やはり色々あるんだとちょっと安心した部分もあります。先の見えないこの状況でよくこの程度の精神状態でいられるものです。終わりがないですからね・・。歳も取らないから死ぬしかないけど、死ぬことすらままならないから想像を絶する大変さです。
今回、異界の2人の状況だけではなく、間間に元の世界の話も描かれています。ロイドがあちらでどんな生活を送っていたのか、どんな性格なのか、など色々わかったのは良かったですが、ブライトが出てくるとイライラしました。
彼が何を言っても、どんなに悲しんでいても、ウィステリアにした仕打ちは絶対に許されないし、未だに彼女が魔女と呼ばれていることや聖剣を奪った犯罪者として扱われていることに対して何の行動も起こしていないことにむかつきます。
確かに真実を明らかにしたら奥さんが苦しむでしょうけど、だからといってウィステリアはいなくなったから良いか、ではないでしょ!と思います。
まだまだ元の世界に戻りそうにもないロイド。どうなっていくのか、心配でたまりません。早めに続きも読んでいきます。
<恋した人は、シリーズ>
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