高田郁 著
「契り橋 あきない世傳 金と銀 特別巻(上)」
(ハルキ文庫)
シリーズを彩ったさまざまな登場人物たちのうち、四人を各編の主役に据えた短編集。五鈴屋を出奔した惣次が、如何にして井筒屋三代目保晴となったのかを描いた「風を抱く」。生真面目な佐助の、恋の今昔に纏わる「はた結び」。老いを自覚し、どう生きるか悩むお竹の「百代の過客」。あのひとに対する、賢輔の長きに亘る秘めた想いの行方を描く「契り橋」。商い一筋、ひたむきに懸命に生きてきたひとびとの、切なくとも幸せに至る物語の開幕。まずは上巻の登場です!−裏表紙より−
あらすじがきれいにまとめられているので、それを読んだらわかりやすくて良いですね〜。
どの短編も面白かったのは、結局どの登場人物も大好きで、まるで実在する人物、しかも知り合いかのように好ましく思って読んでいるからでしょうね。
本編では脇役として存在感を出していた4人にスポットを当てているので、彼らの考えていることや想いがわかるようになっていて最高でした。
特に、ずっと何で井筒屋の三代目になったのか気になっていた惣次のことは読んでスッキリしました。でもまあ、幸は彼と添い遂げなくて良かったのかもしれないとも思いましたけど。彼の奥さんに対する態度がなんだか・・。心の中でさんざんなことを言っておきながら結婚する意味がよくわかりませんでした。ある意味人助け的なことだったのか?
幸という商いの天才が隣りにいなければ、惣次も五鈴屋で輝けたのかもしれないと思うと、ほんの少し可哀そうにはなりました。
お竹さんの苦悩は読んでいて辛かった。いつまでも元気で若々しいイメージだったのに、そうかそんな年齢になったのか・・としみじみ。素敵な店に奉公したお陰で、幸せに暮らしていけそうで安心しました。ずっとビシビシ意見をいってもらいたい存在です。彼女の一言が店を救ったこと何度もありますからね。
そして賢輔。ずっと長い間、すぐ近くにいながらも想いが告げられない苦しさ。私には想像しかできませんが、きっと大変だっただろうと思います。店のことも一番に考えないといけませんし。でも彼は一番成長した気がします。最後はそうか、そうくるか、な展開で嬉しくなりました。
でもそうなると、幸と妹・結の関係はどうなるのか?と心配でもあります。
佐助にもそんな相手がいたんだね、という話も面白かったです。
ほんと、五鈴屋の人たちはみんな幸せになってほしいと強く思いました。
これは特別編の上。まだ下巻もあるんです! なんて嬉しい!
次はあの人やあの人のことを描いてほしいな。賢輔のその後も知りたいし。
上下の2巻といわず、まだ続けて欲しいシリーズです。
<あきない世傳金と銀>
「源流篇」
「早瀬篇」
「奔流篇」
「貫流篇」
「転流篇」
「本流篇」
「碧流篇」
「瀑布篇」
「淵泉篇」
「合流篇」
「風待ち篇」
「出帆篇」
「大海篇」
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