2023年09月12日

永野水貴「恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思いの相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―(1)」

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 永野水貴 著
 「恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。―妹と結婚した片思いの相手がなぜ今さら私のもとに?と思ったら―(1)」
 (TOブックス)※電子書籍


妹の代わりに、毒に満ちた異界の番人となった元令嬢・ウィステリア。ある日、空から初恋の人に瓜二つの男が現れる。名はロイド。なんと彼女の初恋の人の息子だった! 王女へ求婚の証に、ウィステリアの相棒・言葉を解する聖剣サルティスを求めて来たという。止まった時の中で生き延びてきた彼女は、独自の魔法でロイドを倒し、元の世界に帰れと諭すがーー
「あなたを倒すため、弟子にしていただく!」と、説得も虚しく居座られることに。見る間に魔法を習得する弟子に翻弄されつつ、一方的に始まった師弟関係。果たして止まったままの彼女の時間は再び動き出すのかーー? 孤独な非戦闘系元令嬢×天才肌の傲慢系貴公子の師弟恋愛ファンタジー!
−出版社HPより−


初めましての作家さんです。表紙の雰囲気も題名も絶対に自分では選ばないであろう作品ですが、読友さんが高評価を付けていたので読んでみようと思いました。

ファンタジーは好きなので、こういう世界観は好みで読みやすいですが、題名が・・。電子書籍だから読んだけど、書店でレジに持って行くのは恥ずかしいわ・・。ファンタジーに恋愛が絡むと面倒だなと思ってしまいます。でも恋愛でもサラッと良い感じで読めるのもあるので何とか挑戦してみました。

それにしても「妹の代わりに死んでくれ」?怖い題名です。この題名からすると、間違いなく片想いなんだろうと思いますね。しかもかなり傷つく系。片想いの相手の妹の代わりに殺されるのか?と思ったら違いました。

自分の妹でした。ますます悲恋ですね・・。この場面は恋愛物嫌いな私でも泣きそうになりましたよ。


主人公は令嬢として育ったウィステリアという女性。彼女は血のつながらない夫婦に育てられているため、育ての親に対しても、血のつながらない妹に対してもどこか遠慮しているような状態でした。とはいえ、大切に育てられてはいるので、そういう意味での苦労は何もありませんが。

年頃の女性になっているウィステリアの片想いの相手は「生ける宝石」と呼ばれるほどの美貌の持主・ブライト。ウィステリアとも妹とも仲良く付き合っている彼。でも彼の家の方が身分が高いため、結婚するにはウィステリアは努力が必要です。・・と勝手に思っている感じ。

ブライトの家は貴族で、本来なら魔法が使える血筋ですが、彼は魔法が使えないため少し肩身の狭い状態です。そんな彼のために魔法について研究をするウィステリア。そして、瘴気満ちる「未明の地」についても研究することで、功績を得て、ブライトも手に入れたいと考えています。

優雅に暮らして良いはずの令嬢がそんな研究に明け暮れているのですから、当然周りからは「変人」扱いされています。そんなウィステリアに対しても分け隔てなく接してくれるブライトにますます好意を寄せる・・。

そんな時、妹に対して「未明の地」の番人としての役目が命じられます。瘴気が満ちている未明の地の番人というのはつまり生贄ということでした。涙に暮れる妹を見ながらもどうしようもなく、とにかく研究を進めようとするウィステリアでしたが、ブライトから「代わりに行ってくれ」と言われてしまいます。

ここは辛過ぎた・・・・・。ウィステリアには瘴気に対する耐性があるということですが、いくら耐性があっても未明の地の瘴気には対抗できないだろうことは想像できるので、結局「死んでくれ」ということです。妹本人から言われても辛いですが、片想いの相手が実は妹のことが好きだとわかり、その人から「死んでくれ」と言われるだなんて。


そして物語は23年後に飛びます。

ここからの話が、題名の「妹と結婚した〜」の部分になるわけです。未明の地にやって来た、ブライトの息子・ロイド。ブライトによく似た男性の登場に心乱されるウィステリア。

っていうか、ウィステリア生きていたんだ!?と驚く暇もなく、次の展開が。ロイドがやって来た動機も何だか不純ですし、親子で彼女の人生をかき乱していくのが腹立たしいですし、途中で挫折しそうになりましたが、後半に出て来たしゃべる聖剣・サルティスのお陰で読み進められました。

毒舌キャラで、言いたいこと言ってしまうサルティスですが、ウィステリアとは良いコンビのようです。お互い言い合いながらもうまく助け合って、喝を入れ合っていて、お陰でこの地でも生きてこられているようです。

未明の地では時が止まっているため、歳を取っていないウィステリア。そして、片想いの人の息子の登場。まだまだ物語は続きそうですし、最後にきっと元の世界に戻るのでしょうからその時の仕返し的な所を読むのが今から楽しみになっています。

サラッと何事もなかったように戻ったらどうしよう??

とりあえず、続きも読んでいきます。
 

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タグ:永野水貴
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