柴田よしき 著
「あんとほうき星 お勝手のあん」
(ハルキ文庫)
紅屋から平蔵が去ったことで、安政五年はおやすにとって忙しい日々が続く年となった。品川に腕の良い女料理人がいるとの噂が広まっていく中で、御殿山の宴に出した、おやすが考案した花見弁当は江戸中の話題となる。そんな多忙な中、おやすは、かつて紅屋で小僧として働いていたが、武家に養子入りして立派な若侍姿となった勘平との再会を果たしていた。思わぬ嬉しさに心満たされる一方、疫病が江戸に蔓延し始めて品川にも影を落とし、とめ吉も病に倒れてしまう……。待望のシリーズ第八弾!−裏表紙より−
おやすの恋も淡い雰囲気のまま終わり、まだ幼さも残りますが、実は18歳という立派な大人の女性になっています。
この時代、女料理人というのはほとんどいない状況なので、このまま料理人を続けていて大丈夫なのか?という不安もありますし、誰かと結婚してどこかの家の嫁として生きていく道もある、という転換期に来ています。
おやすは素直な性格なので縁談は色々ありそうですが、本人は料理を続けていきたい、今の店で働いていたいという気持ちが強いというか、それしか考えられないようです。
ちょうど黒船もやって来たり、お上にも色々問題が発生して世の中は不安定になっています。後10数年で江戸時代は終わるのか!?という世の中。
女料理人としては新しい時代の方が生きやすいのかもしれませんが、時代の変化がどう影響するのか今から心配になります。
今回は、江戸に蔓延した疫病がとめ吉にも襲い掛かり、倒れてしまうという大きな災難が。おやすは自分がとめ吉の体調の変化に気づいてあげられなかったからだと反省して、看病を続けます。読んでいてきっと大丈夫だろうと思いつつも心配になる展開でした。
次作からは周りだけではなく、おやす自身にも何か変化があるかも? そろそろ変化が起きてもおかしくない年齢になってきました。
楽しみなような寂しいような。おやすにはまだまだ紅屋で修行していてもらいたい気がします。
<お勝手のあんシリーズ>
「お勝手のあん」
「あんの青春〜春を待つころ〜」
「あんの青春〜若葉の季〜」
「あんのまごころ」
「あんの夢」
「あんの信じるもの」
「あんの明日」
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