
大門剛明 著
「鑑識課警察犬係 闇夜に吠ゆ」
(文春文庫)
念願かなって鑑識課警察犬係に配属された岡本都花沙は、ベテラン警察犬のアクセル号とコンビを組むことに。元警察官でいまは民間の警察犬訓練所で働く凄腕ハンドラー・野見山俊二の協力も得て、認知症高齢者の捜索、ひき逃げ事件の捜査などに日々、奔走する。日本推理作家協会賞候補作を含む警察小説新シリーズの誕生!−裏表紙より−
新人ハンドラーの話だと思って読み始めたのですが、いきなり始まったのはベテランハンドラーの野見山と、ベテラン警察犬の話でした。
容疑者の追跡はもちろん、失踪者の捜索もお手の物で、何度も表彰されるほどの活躍を見せているコンビ。警察犬も優秀ですが、歳をとったので引退する時期が近づいていました。そんな時、過去に有罪になった犯人が無罪を主張したため、再捜査になり、改めて臭気テストが行われることになります。
そこで行われたのはベテランハンドラーによる不正。
なぜそんなことをしたのか、過去の判断が間違いではなかったと証明したかったのか?それにしてはやり方が・・・。と謎に包まれたまま、次の話へ。
2話目になると今度は新人のハンドラー・岡本都花沙が登場し、新人らしく警察犬に振り回される日々を送っています。ベテランハンドラーと共に現場に行って勉強することも多くあり、そこで出会うのが1話目で登場したベテランハンドラーの野見山。不正したのですから、当然警察は辞めたわけですが、民間の警察犬訓練所でハンドラーをしていました。
警察を辞めても実力は認められているので、警察からの依頼を受けて出動することもよくあり、都花沙も現場で会うことになります。
実は彼女と野見山は浅からぬ縁があるのですが、それは読んでください。
2話目からは基本的に都花沙の成長物語とはなっていて、彼女の視点で話が進むのですが、時々野見山の視点でも書かれることがあり、そういう所が少し混乱しました。同じ場面で2つの視点があったりするので、これは誰の思い?誰の言葉?と、ぱっと理解できないことがありました。
最後まで楽しく読めましたが、まだスッキリ出来ない問題もありますし、都花沙の成長もまだまだですし、続編が出版されることでしょうから、楽しみに待つことにします。それまで色々覚えておけるか?心配ではありますが。
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