
田中啓文 著
「漫才刑事」
(実業之日本社文庫)※電子書籍
腰元(こしもと)興行所属の若手漫才コンビ「くるぶよ」のボケ担当・“くるくるのケン“。彼が大阪府警難波署の刑事・高山一郎であることは相方の“ぶよぶよのブン“にも言えない秘密だ。お笑い劇場で起こる数々の事件にも、刑事であることは伏せ事件解決に協力する。しかしある日、同僚の交通課巡査・城崎ゆう子に正体がばれ…爆笑間違いなしの警察&芸人小説!−出版社HPより−
「ふたつの顔を持つ男」「着ぐるみを着た死体」「おでんと老人ホーム」「人形に殺された男」「漫才師大量消失事件」「漫才刑事最後の事件」の6編収録。
どこかで聞いたことがあるようなお笑い事務所に所属している漫才コンビのボケ担当・ケン。彼には相方にも言っていない秘密があります。実は、大阪府警難波署の刑事なのです。お笑いが副業というわけでもなく、どちらも真剣にやっているから余計ややこしい状態。
刑事と漫才師の掛け持ちだなんて、現実にはあり得ないですね。
漫才師としてはほとんどテレビにも出ていないので出来る技だということになっています。少し人気が出てきて、テレビに呼ばれることがあっても、相方だけに出てもらうようにして自分は断るという徹底ぶり。劇場だけは出演して腕を磨いています。
そんな忙しい彼が遭遇する事件の数々。かなり軽いタッチと展開なので、事件も軽そうに思えますが、実はしっかりミステリになっています。その辺りは読み応えがあります。
ただ、彼の上司の惚けっぷりには笑えますが。
こんな上司だからこそ、彼の二刀流が成り立つわけですけど、警察官がこんな感じで大丈夫か?と心配にはなります。
ちょっとほろりとしてしまう話もあり、ゾクッとする話もあり、なかなか楽しめました。
んなあほな!と突っ込みつつ楽しい時間が過ごせました。
続編もあるのかな?もしあったら読みたいです。
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