2022年12月16日

吉永南央「紅雲町珈琲屋こよみ 月夜の羊」

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 吉永南央 著
 「紅雲町珈琲屋こよみ 月夜の羊」
 (文春文庫)


コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営むお草は、朝の散歩の途中、“たすけて”と書かれた一枚のメモを拾う。折しもその日の夕方、紅雲中の女子生徒が行方不明に。その後、家出と判明するが、では助けを求めているのは、いったい誰なのか?日常に潜む社会のひずみを炙り出しつつ、読む人の背中を押してくれる人気シリーズ第9弾。−裏表紙より−


いつものように日課の散歩をしている途中で「たすけて」と書かれたメモを拾ったお草さん。いたずらとも思えず、別の日にも近くを通ってみると不審な家を発見します。

とりあえず中を覗いてみると女性が倒れていました。慌てて救急車を呼んで対応し、のちに病院へも行ってみます。そういうところがお草さんらしいというか、そこまでお節介やくか?と驚いてしまいます。

でも中年というか老年に近い女性が一人で倒れていたことを心配する気持ちはわからなくはないですけど。


その女性との関わりが意外な展開に。

ひきこもりに学校の校則に、若者たちを取り巻く色々な問題が取り上げられ、お草さんと共に考える内容になっていました。

話があちこち跳ぶ感じがするのと、誰が何?という場面が多々あるのもこのシリーズらしいです。


「あれ?どういうことだろう?」と思ってもそこであまり悩まず読み進めるときっと解決されるので、慣れると読みやすくなるとは思います。

今回あまり食器が売れず、試飲のお客さんが多かったような。

経営は大丈夫だろうか?と変な心配もしてしまいました。


色々お節介を焼きつつ、最後には「自分で考えなさい」と放置するお草さんの対応はある意味、親切なのでしょうし、この対応の仕方って実際にはやりにくいでしょう。それをさらりとやれてしまうのはやはり年の功かな?


続きも楽しみです。久実ちゃんの恋愛もまだまだ不安定なのでそちらも気になります。


<紅雲町珈琲屋こよみ>
「萩を揺らす雨」
「その日まで」
「名もなき花の」
「糸切り」
「まひるまの星」
「花ひいらぎの街角」
「黄色い実」
「初夏の訪問者」


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posted by DONA at 14:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:吉永南央
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