2022年12月06日

西條奈加「亥子ころころ」

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 西條奈加 著
 「亥子ころころ」
 (講談社文庫)


店の主の治兵衛が諸国をめぐり見覚えた菓子を手頃な値で売る「南星屋」。娘と孫の三人で店を繁盛させた治兵衛は、手首を痛めてしまう。納得のいかぬ代物に苛立ちが募る中、店先に雲平という男が行き倒れていた。京から来たわけを訊くと、込み入った事情があるようで・・。荒んだ心をほぐす人情味溢れる時代小説。−裏表紙より−


「夏ひすい」「吹き寄せる雲」「つやぶくさ」「みめより」「関の戸」「竹の春」「亥子ころころ」の7編収録。


前作を読んだのは2017年なので5年くらい前のことです。細かい部分は色々と忘れていましたが、和菓子を庶民も買いやすい価格で販売している店の話ということはもちろん覚えていました。

読み進めるとちょっとずつ色々思い出すのですが、前作を忘れていても楽しめるとは思います。もちろん順番に読んだ方が良いですけど。


前作で腕をケガして思うように菓子が作れない治兵衛。アイディアはあるけどどうしても形が不格好になったり、力仕事は難しかったり、もどかしい毎日を過ごしていました。

そんな時、店の前で行き倒れを発見します。助けてあげた所、同じ菓子職人だということがわかります。治兵衛と同じように全国を旅しながら菓子作りをしてきたという雲平。話を聞いているうちに、店の前で倒れていたのは運命ではないかという思いがわいてきます。

雲平は京から家族同然の弟弟子を探しに来たという。彼を見つけるまでの間、治兵衛の店で過ごすことになり、治兵衛の片腕として菓子作りも手伝うことになりました。

お陰で店を再開することが出来、お互いに刺激をもらいながら毎日美味しい菓子を作ってお客様に喜んでもらえました。


出てくるお菓子(治兵衛の作るお菓子)の美味しそうなこと! 細かい描写を読みながら想像しては食べたくなりました。これが安価で食べられるとなれば人気になるのもわかります。

雲平の人探しの方も少しずつ進展を見せ、ちょっと辛い出来事もありましたが、最後は幸せになる展開を見せてくれて読んでいてほっとしました。


続きも描いてもらえそうですし、治兵衛はもちろん、娘や孫の今後も楽しみになりました。もちろん、彼らの作るお菓子も楽しみです。


<南星屋シリーズ>
「まるまるの毬」


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posted by DONA at 14:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:西條奈加
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