2022年07月06日

近藤史恵「歌舞伎座の怪紳士」

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 近藤史恵 著
 「歌舞伎座の怪紳士」
 (徳間文庫)


職場でハラスメントを受け退職した岩居久澄は、心に鬱屈を抱えながら家事手伝いとして日々を過ごしていた。そんな彼女に観劇代行のアルバイトが舞い込む。祖母に感想を伝えるだけで五千円くれるという。歌舞伎、オペラ、演劇。初めて体験に戸惑いながらも、徐々に芝居の世界に魅了され、心が晴れていく久澄だったが―。私が行く芝居に必ず「親切な老紳士」がいるのは、なぜだろう?
−裏表紙より−


連作短編のように1話ずつ完結していきますが、1話毎に題名はありません。第一章、第二章という感じで進んでいきます。


仕事場の雰囲気に馴染めず退職することになった久澄は、実家の家事をして仕事をしている母親を支えていました。そんな自分の状況に悩んでいる時、普段はあまり仲が良いとは言えない祖母からアルバイトの話がきます。

祖母の代わりにお芝居を見に行って感想を伝えてほしいという物でした。顔が広い祖母は知人から「見に来て欲しい」とチケットを渡されることが多いが全部を見に行くことは出来ないということで、久澄に代わりに行って感想を言ってもらえれば助かると言うのです。

お芝居など見に行くことが無かった久澄ですが、とりあえずもらったチケットを持って観劇に。初めて渡されたのは歌舞伎のチケットでした。歌舞伎はお芝居の中でも敷居が高いものですが、アルバイトなので行ってみることにしました。

パンフレットも購入するように言われていたので買って読むと話の内容は何となくわかりましたが、細かい設定などは理解できず。それでも生で目の前で繰り広げられるお芝居の素晴らしさに魅了された久澄。

その時偶然隣りに座った素敵な紳士と少し会話をし、色々教えてもらっていたところ、ちょっとした揉め事に巻き込まれてしまいます。こうなると、その素敵な紳士が華麗に解決して久澄が好きになるパターンか!?と思いますけど、そうはならず。どちらかというと久澄が一人で解決します。紳士は口添えをするのみ。

ということは、話はどう展開していくのか気になってきます。

生のお芝居にはまった久澄は祖母からのアルバイト以外にも自分でチケットを買って観劇するようになっていきます。でも行く所行く所にその紳士は現れます。

なんて謎めいた存在!

紳士の様子が明らかになってくると久澄とはかなり年齢差があることがわかってくるので、恋愛話にはならなそうです。でも最後は・・。


なるほどそういう存在の人でしたか! と納得ですし、この終わり方も素敵でした。


コロナ禍でなかなか気軽に観劇しにくいですけど、長い間見に行っていないのでそろそろ行きたいと思うようになりました。そしていつかは行ってみたいのが歌舞伎。チケット高そう、話わかるかな?と久澄と同じ悩みがありましたが、これを読んだら解決したので、行きたいと思います。近くで公演があれば良いのですが・・。


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posted by DONA at 15:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:近藤史恵
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