2021年11月17日

池井戸潤「下町ロケット ヤタガラス」

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 池井戸潤 著
 「下町ロケット ヤタガラス」
 (小学館文庫)


宇宙(そら)から大地へ――。 大型ロケット打ち上げの現場を離れた帝国重工の財前道生は、準天頂衛星「ヤタガラス」を利用した壮大な事業計画を立案。折しも新技術を獲得した佃製作所とタッグを組むが、思いがけないライバルが現れる。 帝国重工社内での熾烈な権力争い、かつて袂を分かったエンジニアたちの相剋。二転三転するプロジェクトに翻弄されながらも、技術力を信じ、仲間を信じて闘う佃航平と社員たち。信じる者の裏切り、一方で手を差し伸べてくれる者の温かさに胸打たれる開発のストーリーは怒濤のクライマックスへ。 大人気シリーズ第4弾! この技術が日本の農業を変える――。−裏表紙より−


前作の続きです。

前作で、新たな道を進み始めた佃製作所。佃社長を支えてくれていた人が去った代わりに、心強い腕が確かな技術者が仲間になりました。

切り離されそうになった帝国重工とも新たなプロジェクトをスタートさせることになり、新しい技術者を中心に新たな開発が始まりました。前作ではほとんど開発の話は出てきませんでしたが、今回はたっぷりと。

開発に苦しむ姿も、完成して自信に満ち溢れる様子もたくさん見ることができました。


そして、去って行った人も何度も登場して、辞めてからも佃製作所をサポートしてくれたのが嬉しかったです。彼の人生はこれで良かったんだろうと最後には思えることが出来ました。


新たな開発は当然ながらスムーズにいくはずもなく、佃製作所としてはしっかりしたものを作っていても、ライバル会社からの横やりや、妨害を受けて時々くじけそうになってしまいます。

読みながらちょっとハラハラするのですが、この作家さんなら勧善懲悪というか、佃製作所のような中小企業に味方してくれて、最後にはスッキリ爽快、大逆転があるはずと信じることが出来るので読みやすかったです。


この中に出て来た技術は現実世界にもあるのか?は知りませんが、この技術があれば農業の未来も少しは明るくなるのかもしれません。もっと自然災害のような避けられない事態を回避できるような技術があると良いんですけど。猛暑だったので野菜が高騰とか、雨が多くて日照時間が短かったので野菜が高騰とか、台風直撃とか、そういうことも無いように安定して供給してもらえると消費者側も助かりますし、生産者も収入が安定して、農業をしてみようと思う人も増えそうです。


きっと現実世界でも研究開発されているのでしょうね。早く実現してもらいたいものです。


<下町ロケットシリーズ>
「下町ロケット」
「ガウディ計画」
「ゴースト」


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posted by DONA at 14:25| Comment(3) | TrackBack(0) | 読書:池井戸潤
この記事へのコメント
こんにちは。

自分も「下町ロケット ヤタガラス」読みましたよ。
スカッとする展開が印象的でした。
そのうえ佃製作所は本当にいい会社だと思いましたよ。

早く実現してもらいたいものです、というお気持ちわかります。
Posted by 神崎和幸 at 2021年12月01日 16:41
>神崎和幸さん
コメントありがとうございます。このシリーズは力の弱い中小企業が大企業を打ち負かす展開で面白いですよね。こんな会社だったら働き甲斐がありそうでうらやましいです。
Posted by DONA at 2021年12月06日 14:58
はい、本当に面白かったです。

こんな会社だったら働き甲斐がありそうでうらやましいです、というお気持ちわかりますよ。
Posted by 神崎和幸 at 2021年12月08日 09:53
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