2021年08月24日

西條奈加「永田町小町バトル」

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 西條奈加 著
 「永田町小町バトル」
 (実業之日本社文庫)


「夜の銀座」専門の託児施設を立ち上げた行動力を買われて衆院選に出馬、見事初当選を果たした芹沢小町。“現役”キャバクラ嬢でシングルマザーという経歴、物怖じしないキャラクターがメディアで話題となり、働く母親達を中心に熱い支持を集めている。ひとり親家庭、貧困、埋まらない男女格差。“ジェンダー不平等国”ニッポンに、小町のパワーは風穴を開けられるのか!?−裏表紙より−


この作家さんにしては珍しいジャンルの作品ですね。時代小説以外も読んでいますが、政治の世界ですか・・。

とりあえず「政治」というだけで拒否反応が出てしまう私。こんなことではいけないのですが、小難しいしゃべり方をしている政治家たちを見ていると虫唾が走ります。「結局何が言いたいの?」と怒りが湧くことが多いです。頭悪い私が悪いのでしょうけど、頭悪くてもわかるような話し方は出来ないものなんですかね? 人生で一度も聞いたことがないような単語(「忖度」が良い例ですね)を使うことで国民の疑問を煙に巻くつもりなんじゃないか?と疑ってしまいます。

某知事のようにやたらと横文字を使う人とか、本当にバカにしているとしか思えません。

これ以上書いてしまうと、クレームが付きそうなのでこの辺でやめておきます。実際これ以上語るほどの知識がありませんし。


この物語の主人公である芹沢小町は、キャバクラで働くシングルマザーです。それで選挙に当選し、野党とはいえ国会議員となりました。経歴が珍しいことと、派手な容姿もあって始めから注目されています。

彼女が立候補した理由は、子育て支援。シングルで育てている家庭の支援をしたいというのが一番の理由でした。子育てする女性が働きにくいこと、子どもを預ける所がないこと、低所得のせいで生活が立ち行かなくなり世間からも離れてしまう悪循環を起こしている家庭を助けること、などなど「子育て支援」と一言で言っても色んな問題が山積みです。

その根本には「母親(女性)が子育てをするのが当然であり、女性は子育てが出来て当たり前」という考えがあります。確かに、お腹の中で育てるのは女性にしか出来ませんし、母乳が出るのも母親だけではありますが、だから「母親が育てるのが当たり前」になるのは違うと思います。これも語り始めると長くなる上に、何かしらの批判もありそうなのでやめておきますが、「女性に働け!」というのであれば、「男性も子育てしろ!」は当たり前の話です。「両親ともに働け!」というのであれば、子どもを預ける保育園を充実させないといけないのは当然。

最近でこそ0歳から預けられる保育園は増えましたが、数年前まではなかなか預けられなかったですし、今でも夜は遅くまで預かってくれないことが多いですね。長くても19時くらいまででしょうか? それ以降まで残業する仕事が多い中、これではしっかり働けないのも仕方ないですよね。かといって、保育の仕事に携わる私個人の意見としては、「そこまで長い時間、親と子どもが離れているのはどうなのよ」と思いますから、本当の理想は、職場が子育てしている期間は早く帰らせるという措置が取れるようにしてくれることです。もちろん、気兼ねなくその状態にしてもらえるのが条件です。そうならない限り、子育てしながら働こうと思う女性は増えないと思います。

やはり長くなってきましたね。


もう一つだけ認可外保育園に対する記述にクレームを。認可保育園と違って、国や地方自治体から認可がもらえないのが認可外(無認可ともいいます)保育園なのですが「認可がもらえないのは設置条件をクリア出来ないから」だと書かれていました。ですが、認可外保育園にも認可園に近い設置条件があり、職員の配置人数や子ども一人当たりの面積などはほとんど変わりません。

ではなぜ認可園にしないのかというと、その条件が厳しいからなんです。一番クリアしにくいのは「一定期間以上、ここの県や市、区などで認可園を経営していたという実績があること」という条件です。これって新規参入は無理??ってことですよね。自治体によってはここをクリア出来なくても他の条件がクリア出来ていればいいという場合もあるようですが。例えば認可外保育園を5年以上運営していて過去に何も指導されなかったことなどの条件です。

また、設置したい自治体で募集されていなかったら、条件なんて全く関係なく設置出来ません。つまり、自治体から募集されていて、条件をクリアできる状態で、更に応募して受け入れられて初めて認可園が開設出来るわけです。

なので、認可外だから、認可がもらえない園だから預けるのは心配だとか、問題がある園に違いないと思うのは間違いだと思います。逆に認可外の方が色々な保育の特色があって預けやすい所もあると思います。保育料はどうしても高くなりますけど。


すっかり物語の内容から離れてしまいました。

物語としては、題名のようなバトルはほとんどなく、小町の奮闘ぶりや政治家の活動方法についての細かい記述が多くをしめています。政治を知らない私にとっては「そうなんだ〜」と感心しきりでしたが、知っている人にとっては長々しく感じそうです。もっと端折る所はありそうです。

バトル部分に関してはもしかしたら続編を書かれるのかな?と。ハッキリ言ってこの巻だけでは小町は何もしていませんから、これからが楽しみな状態なので。色々面白い法案を考えていたので、ぜひ続きを読みたいです。


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posted by DONA at 15:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:西條奈加
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