
ジャナ・デリオン 著
島村浩子 訳
「ワニの町へ来たスパイ」
(創元推理文庫)※電子書籍
潜入任務で暴れすぎたために、敵から狙われる身となった超凄腕CIA秘密工作員のわたし。ルイジアナの小さな町で、自分と正反対の女性になりすまし潜伏するつもりが、到着するなり保安官助手に目をつけられ、住む家の裏の川で人骨を発見してしまう。そのうえ町を牛耳る老婦人たちに焚きつけられ、しかたなく人骨事件の真相を追うことに……。型破りなミステリ・シリーズ第一弾。―出版社HPより―
初めましての作家さんです。海外小説を開拓したくて読んでみました。
CIAの超凄腕という女性工作員が主人公なのですが、いきなり任務に失敗して裏社会の大物から命を狙われることになった所から話が始まります、
つまり、どの程度の凄腕なのかよくわからないままです。でも、今回の失敗は殺し損ねたとかではなく、人助けをしたことによる失敗だということで、結構人間味のある人だということはわかります。
ただその人間味は、CIAとしては致命的な欠陥ともいえるのでしょうが。
命を狙われてしまったので、ほとぼりが冷めるまで、とりあえず田舎の町に隠れ住むことになりました。もちろん身分も隠して違う女性になりすますわけですが、田舎のおとなしい女性になるはずがなかなかうまくいきません。今までと違い過ぎて簡単にはいかないでしょうけど、それにしても目立ちすぎです。
まず田舎に着いたとたんに保安官助手に目を付けられ、自宅付近で死体を発見し、近所に住む老婦人たちに巻き込まれるようにして事件を調べることになります。
目立たず暮らしていくはずが、どんどん目立っていくわけで、上司からはかなり叱られるのですがどうしようもなくなっていきます。
事件の捜査自体はどうでも良いというか、誰が犯人でもどんな動機でもあまり興味がわかなかったのですが、主人公のバタバタぶりと、老婦人たちのかっこよさにどんどん惹かれていきました。
老婦人たちの正体も明らかにされ、これはこのシリーズを追いかけずにはいられません。主人公との絡みも楽しみですし、彼女は本当にこのまま隠れていられるのか、仕事に戻る日は来るのか、きっといつか彼女が命を狙われる日がくるのでしょうが、その時は老婦人たちが大活躍して助けてくれるのでしょうし、その辺りも楽しみです。
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