2021年03月18日

高田郁「あきない世傳金と銀<十> 合流篇」

9784758443920 (1).jpg

 高田郁 著
 「あきない世傳金と銀<十> 合流篇」
 (ハルキ文庫)


呉服太物商でありながら、呉服仲間を追われ、呉服商いを断念することになった五鈴屋江戸本店。だが、主人公幸や奉公人たちは、新たな盛運の芽生えを信じ、職人たちと知恵を寄せ合って、これまでにない浴衣地の開発に挑む。男女の違いを越え、身分を越えて、江戸の街に木綿の橋を架けたい──そんな切なる願いを胸に、試行錯誤を続け、懸命に精進を重ねていく。両国の川開きの日に狙いを定め、勝負に打って出るのだが……。果たして最大の危機は最高の好機になり得るのか。五鈴屋の快進撃に胸躍る、シリーズ第十弾!!−裏表紙より−


前作は痛くて苦しい巻でしたが、今作は平穏で幸せな巻でした。

とはいえ、前作の苦しさから抜け出すための試行錯誤が繰り返されたので、苦しい場面はたくさんありました。でもこれを完成させれば絶対に成功する!という確信があるのでかなり前向きな気分で進められました。

読者側もただひたすら「がんばれ!やれば出来る!」と応援すれば良かったので、苦しまずに読めました。


いよいよ、大坂から菊栄さんがやって来ました。幸にとってはかつての女主人ですが、今は良い友人となっている菊栄。今回は彼女がカッコいい活躍を見せてくれて嬉しかったです。

菊栄さんにも色々と大変な部分はあるのでしょうが、商売上手な彼女ですから、江戸でもきっとうまくやれるはずです。そして、幸たちの支えにもなってくれるはず。

そう思うと心強くて頼もしくて、幸と共に感謝感謝な気分になりました。


相変わらず色んな人たちに助けられている幸。彼女の人柄に惹かれてみんな助けてくれるのでしょうが、今後も彼女の元、店が繁盛していく、いやお客様に愛される店になるのを楽しみにしています。

今回は妹が何もしてきませんでしたが、彼女が黙っているとも思えないので、どうなるのか・・。いつかは姉妹仲良くできたら良いのですが。


そして、今回は良いことがもう一つあって、お梅どんの春に私も嬉しくなりました。彼女の存在は江戸本店を明るくしてくれるので、いつまでも元気で幸せでいてほしいです。


次回も平和に過ぎたら良いですけど、そうはいかないでしょうね・・・。でも幸たちなら乗り越えていってくれるでしょう。


<あきない世傳金と銀>
「源流篇」
「早瀬篇」
「奔流篇」
「貫流篇」
「転流篇」
「本流篇」
「碧流篇」
「瀑布篇」
「淵泉篇」


↓ ランキングに参加中 お帰りの際にポチッ×2と押して行って下さると嬉しいです。

   人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

posted by DONA at 15:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:高田郁
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/188500432
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック