
斎藤千輪 著
「ビストロ三軒亭の謎めく晩餐」
(角川文庫)※電子書籍
三軒茶屋にある小さなビストロ。来る人の望みを叶える魔法のような店。料理は本格派、サービスは規格外。どんな事情の客も大歓迎。――ここ『ビストロ三軒亭』には、お決まりのメニューが存在しない。好みや希望をギャルソンに伝えると、名探偵ポアロ好きな若きオーナーシェフ・伊勢優也が、その人だけのオリジナルコースを作ってくれる、オーダーメイドのレストランなのだ。ひと月ほど前までセミプロの舞台役者だった神坂隆一は、姉の紹介でこの店のギャルソンとして働くことに。個性豊かな先輩ギャルソンたちに気後れしつつも、初めて挑んだ接客。だが、担当した女性客が、いろいろな謎を秘めた奇妙な人物であることを、隆一はまだ知らずにいた……。美味しい料理と謎に満ちた、癒しのグルメミステリー。−出版HPより−
この作家さんの作品は2作目。同じようにレストランの話です。
一応ミステリですが、日常の軽い謎なので、重い話の本が続いた時には良い気分転換になれるかもしれません。
「ビストロ三軒亭」は、本格的なフレンチが出てくるレストラン。普通のビストロとの違いは、決まったコース料理が無くて、お客のリクエストに応えて好みのコースを作ってくれる所と、担当してくれるギャルソンを指名できる所です。
オーダーメイドでコースを作ってくれるのはとても素敵ですね。この部分では、近くにあったら通ってしまうかも!と思うのですが、ギャルソンが・・。指名したくないわ・・と思ったら担当は新人になる確率が高いし、指名したら「ご指名ありがとうございます」って言われるし、苦手です・・。
気軽に楽しめるビストロ、となっていますが、ギャルソンが常にそばにいるだけで十分堅苦しいと思ってしまう私には向かない店かも。
でも料理はかなり美味しそうです。なので一度は食べてみたいかな?
個性的なギャルソンたちと、個性的なシェフが、やって来るお客さんのちょっとした謎を解き明かす展開です。美味しい料理を提供しながら、さり気ない会話や行動をヒントに謎解きしていくので、面白く読めました。
シェフにも何やら暗い過去がありそうな描写もあり、気になっていたのですが、最後にはすっきり解決してしまい、もっと引っ張らなくて大丈夫なのか?と心配になるくらいでした。
4話収録されていたのですが、印象に残ったのは3話目でした。ビストロが試食会を開いたときに来てもらった大食い女性3人の話です。食べることが大好きなのに、味覚障害になってしまう・・。私も食べるのは好きなので辛いだろうなと彼女の気持ちになって心が痛くなりました。人間って弱いなと改めて感じさせられた話でした。
間違えて3作目を購入済みなので、早く2作目を手に入れて読もうと思っています。とりあえず3作目を読んでも問題は無さそうですけどね。
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