2020年12月23日

吉永南央「黄色い実 紅雲町珈琲屋こよみ」

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 吉永南央 著
 「黄色い実 紅雲町珈琲屋こよみ」
 (文春文庫)


お草の営む「小蔵屋」の頼れる店員・久実。なぜか男っ気のない久実にもついに春が・・? 浮きたつ店に元アイドルの女性が店の敷地内で暴行を受けたという衝撃のニュースが飛び込んでくる。容疑者は地元名士の息子。そして、暴行現場で拾った「あるもの」がお草と久実を悩ませることになる。心に勇気の火を灯す人気シリーズ第7弾。−裏表紙より−


今回はまた重い重いお話でした。

どっしりと構えて受け止めるお草さんの姿が頼もしいような、もう少し何とかしてあげて欲しかったような、複雑な心境になりました。


可愛らしくて、性格はさっぱりとしている久実ちゃんですが、今まではなぜか男性の影がなく。でも前作からちょっと良い感じになってきたかな?という人が現れてきました。

よくしゃべって、お草さんとも雇い主と雇われ人という関係ではなく、本当の母子のように仲が良いのに、意外とプライベートのことは話していなかったんだということに気づかされました。

お草さんがちょっと話題を振ってもごまかす感じが続いて、読んでいてもどかしい気持ちにさせられました。


そんなときに起きたのが、元アイドルの女性が暴行を受けた事件。小蔵屋の駐車場内で起きたということで、店の中にも暗い空気が・・。

現場を見に行ったお草さんが拾ったのは、久実ちゃんが身に着けていたある物で、もしかして・・という不安がよぎります。

お草さんが突っ込んで聞いてもはぐらかす久実ちゃん。内容が内容だけにあまり強くも聞けず、うやむやのまま時が過ぎていきます。

そして、気付けば被害者のはずが加害者になっている?という状況にまでなってしまい、読んでいても苦しくなってしまいました。


何で被害者の女性ばかりが苦しまないといけないのか! 本当に犯人には腹が立ちます。自分の欲望のために人生を棒に振る上に、相手の人生も壊してしまう、そのことにしっかり気づいてもらいたいものです。

同じ女性としては読むのが辛い内容でした。

次はもう少し軽めに進めてくれたら良いな。


<紅雲町珈琲屋こよみ>
「萩を揺らす雨」
「その日まで」
「名もなき花の」
「糸切り」
「まひるまの星」
「花ひいらぎの街角」


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posted by DONA at 15:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:吉永南央
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