
矢崎存美 著
「ぶたぶたのティータイム」
(光文社文庫)
ふだん離れて暮らす母親を喜ばせようと、お邸のアフタヌーンティーにお呼ばれした凪子。新緑の庭に、英国風のお菓子とおいしい紅茶を運んできたのは、想像を超えた、とてもユニークな人物(?)だった―(「アフタヌーンティーは庭園で」)。中身は中年男性、見た目はキュートな、ぶたのぬいぐるみ。おなじみ山崎ぶたぶたが、周囲に温かい気持ちを広げていくファンタジー!
−裏表紙より−
新刊が発売されてしまったので、読む前にさっさと感想をUPしないと・・。
「アフタヌーンティーは庭園で」「知らないケーキ」「幸せでいてほしい」「カラスとキャロットケーキ」「心からの」の5編収録されています。
今回のぶたぶたさんは素敵なカフェを経営しています。
1話目では、お邸の庭園でのアフタヌーンティーに出張して、お茶とお菓子を提供しています。アフタヌーンティーって敷居が高いですよね・・。
普通のホテルでも気を使うのに、お邸で行われるなんて、どんな服を着たら良いかさえ迷ってしまいます。っていうか、手持ちの洋服では無理でしょう。そのためだけに何か買わないと、という気持ちにさせられます。
でも、お邸の素敵な庭園でのお茶だなんて、きっと心安らかになれて最高の時間になるんでしょうね。
緊張する場面ではありますが、そこはぶたぶたさんがきっと何とかしてくれるでしょうし、緊張を和らげてくれるでしょう。ぬいぐるみなのですから。
この話に出てきた女性は、母親との時間を楽しめたようです。
1話目も良かったですが、特に気に入ったのは「カラスとキャロットケーキ」というお話。
いじめを受けて悩んでいた少年と、トラウマになったカラスとの戦い。なぜカラスが苦手になったのか?その原因をすっきり解決させたら、カラスのことも好きになれる?? 好きになるとまではいかなくても、道にいても逃げずにいられそうです。
カラスとぶたぶたさんの攻防はちょっと面白かったです。
この少年はこれから前を向いて歩いていけそうで、ほっとしました。
他の話でも、出てくる人たちがぶたぶたさんのカフェで色々なケーキや洋菓子に癒され、ぶたぶたさんとの会話で和まされ、心が軽くなっていきます。
つまり、いつもの安定したぶたぶたさんですね。
そして、美味しそうなスイーツの数々。相変わらず、最高の組み合わせです。
新作は「シェアハウス」です。えー??ぶたぶたさんが管理人ってことでしょうか?読むのが楽しみです。
<ぶたぶたさんシリーズ>
「ぶたぶた」
「刑事ぶたぶた」
「ぶたぶたの休日」
「夏の日のぶたぶた」
「クリスマスのぶたぶた」
「ぶたぶた日記」
「ぶたぶたの食卓」
「ぶたぶたのいる場所」
「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」
「訪問者ぶたぶた」
「再びのぶたぶた」
「キッチンぶたぶた」
「ぶたぶたさん」
「ぶたぶたは見た」
「ぶたぶたカフェ」
「ぶたぶた図書館」
「ぶたぶた洋菓子店」
「ぶたぶたのお医者さん」
「ぶたぶたの本屋さん」
「ぶたぶたのおかわり!」
「学校のぶたぶた」
「ぶたぶたの甘いもの」
「ドクターぶたぶた」
「ぶたぶたの花束」
「居酒屋ぶたぶた」
「海の家のぶたぶた」
「ぶたぶたラジオ」
「森のシェフぶたぶた」
「編集者ぶたぶた」
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