
五十嵐貴久 著
「セカンドステージ」
(幻冬舎文庫)
二人の子持ちの杏子は、疲れてるママ向けにマッサージと家事代行をする会社を起業した。従業員はお年寄り限定。夫の無理解、姑との確執、アルコール依存など、顧客のまま達にはいろんな悩みがあって、いちいち首を突っ込む老人達に杏子は右往左往。けれど、夫の浮気疑惑、息子の不登校など、自分の家庭にこそ問題が・・!? 元気が出る長編小説。−裏表紙より−
初めましての作家さんです。
主人公は、39歳、2人の子を持つ主婦の杏子。一見どこにでもいそうな女性です。そんな彼女の家庭のある朝の様子から始まります。小学生と幼稚園の子どもがいる家庭にとっては、いつもの光景ともいえるような朝のバタバタ。そして、夫と子どもたちが出て行った後の静けさ。普通の主婦ならホッと一息つく所ですが。
実は杏子はある事業を起こしていました。夫にも子どもにも内緒で。夫には反対されるのが目に見えているから・・。自分の辛かった経験を活かして、ママたちのためにマッサージと家事代行をする仕事です。従業員はお年寄りばかり。
素晴らしいアイディアですし、素敵な仕事だと感心しつつ読み進めました。疲れているママたちは、一瞬でも子どもをみてもらえたり、家事をやってもらったりしたらかなりラクできますし、更にマッサージまでしてもらえるなんて。頼んだママたちはみんな元気になっています。しかも、来てくれるのがお年寄りばかりだと、安心できるでしょう。そして、働く側のお年寄りたちも、生き甲斐が出来て元気になれますし、一石二鳥です。
杏子とお年寄りたちは、依頼されたお宅へ出かけて行っては、色々なママたちと出会い仕事をこなします。中には問題を抱えているママもいて、そんな人にはみんなで相談して解決していきます。そこまでやる必要はあるか?とも思いますが・・。
子育てって本当に孤独。“ママ友”なんてよく言いますが、同じ“ママ”だからこそ言えない悩みもあるでしょう。やはり人間には見栄ってものがありますしね。「こんなこと言ったら変に思われるかも?」とか「みんなは出来ているのに出来ない私はおかしいのか?」とか思ってしまいそうです。悩みすぎて虐待してしまうこともある・・。そんな辛い状況に手を差し伸べられるのは良いことですね。
でもまあ、こんなにすべてうまくいくとも思えませんが、こういう事業が現実にもあって、気軽に利用できるようになると良いと強く思いました。夫や周りの人たちの理解が何よりも大事!
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