2019年06月20日

風野真知雄「妻は、くノ一 星影の女」

321804000139.jpg

 風野真知雄 著
 「妻は、くノ一 星影の女」
 (角川文庫)


平戸藩御船方書物天文係の雙星彦馬は、天体好きの変わり者。そんな彦馬の下に、織江という嫁がやってきた。彦馬は、美しく気が合う織江を生涯大切にすると誓うも、わずか一月で新妻は失踪してしまう―織江は平戸藩の前藩主・松浦静山の密貿易疑惑を探るため、幕府が送り込んだくノ一だった。そうとは知らない彦馬は、織江の行方を追って江戸へ。様々な謎を解きながら愛する妻を捜す、彦馬の新たな暮らしが始まった!−裏表紙より−


初めましての作家さんです。 ネットで絶賛されていたので読んでみました。

初めての作家さんのときは、文章が慣れなくて始めが読みにくいことが多いです。この作品も例外ではなく、話に入りにくい部分がありました。


彦馬という天体が好きで、天体の話ばかり夢中になってしまう変わり者がいました。そんな彼になぜかきれいなお嫁さんがやってきます。美人なだけではなく、彦馬と話も合う織江のことをかなり気に入り、末永く幸せに暮らしていけると信じていたのですが、突然失踪してしまいます。

失踪直前に、織江が誰かと戦っているのを見た彦馬。でもそれは夜の闇の中で見たことなので、本当にそうだったかは確信がもてませんでした。

失踪してしまった織江のことが忘れられず悩む彦馬に、織江が江戸にいたという情報が入ります。

この時代、簡単に外に出ていくことが難しく、日数もかかることから、まだ若いのに隠居を願い出て、甥っ子に家督を譲って江戸へ旅立つことにしました。

たった一月一緒に暮らしただけの女性のことをここまで想い続けることが出来るのは、ある意味変わり者でもありますし、ちょっとうらやましくもあります。ここまで愛される織江は幸せ者です・・。


織江がなぜ失踪したのか?は、読者にはわかるようになっています。彦馬のいた藩を探っていたくノ一で、とりあえず任務を終えて戻っていたのです。とはいえ、まだ完璧に任務が終わったわけではなく、またこの藩のことは探ろうとはしているようですが、織江は面が割れているので違う人を使いそうです。


1作目は彦馬の江戸までの道中の様子と、織江のその後、そして江戸で彦馬がどんな暮らしをしていくのか?が描かれています。

純粋な彦馬が一方的に騙されているなら居たたまれないですが、どうやら織江も憎からず思っているようで、そこは救いです。

今後二人が再会する日がくるのか、出会うまでどんな生活を送っていくのか、シリーズはかなり続いているようなので、展開が楽しみです。


↓ ランキングに参加中 ポチッと押して下さると嬉しいです。

   人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

タグ:風野真知雄
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/186166146
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック