
西條奈加 著
「睦月童」
(PHP文芸文庫)
ある東北の村から日本橋の酒問屋に招かれた、不思議な目を持った少女・イオ。酒問屋の跡取り息子・央介は、その目を見たことで激しい良心の呵責に襲われ、かつて自分が犯した罪を償おうとする。やがて更生した央介とイオは、彼女の目を使って、江戸で起こる数々の事件を解決していくことになるが・・。青年と少女の交流と成長を通して、「罪と向き合う」ことの意味を描いた、感動のファンタジー時代小説。−裏表紙より−
ファンタジー時代小説というジャンル。この作家さんは得意なジャンルですね。
ある大店にやってきたみすぼらしい感じの少女・イオ。彼女は大店が招いてきてもらったのです。彼女の目を見た大店の跡取り息子・央介は、突然怖がり苦しみだし、自分のお明日罪を償おうとします。央介はあそび人で、仲間とつるんで色々と問題を起こしていたのです。でも、イオの力で改心し、仲間と共に償いを始めます。
その後もイオは江戸に残り、央介と共に過ごすうちに、町でイオの目を怖がる人を見つけては、どんな問題を抱えているのか調べ、助けていくことに。
イオは不思議な力を持っているのに、とてもあどけない少女で、言動が普通の少女と変わらずかわいらしかったです。そんなイオに愛情を感じた央介との関係がほのぼのしました。
でも話はそのままほのぼのとは終わらない・・。できればこのまま2人は楽しく幸せに過ごしてほしかったのですが、そうならないのが悲しかったです。
イオの出生の秘密が明らかになる頃には苦しくて辛くて何度も泣いてしまいました。 最後までスッキリはできませんでしたが、それでもきっとイオも央介も幸せなのだろうと思えて終われたのが救いでした。
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