
坂井希久子 著
「ふんわり穴子天 居酒屋ぜんや」
(ハルキ文庫)
寛政三年弥生。預かった鶯を美声に育てて生計を立てる、小禄旗本の次男坊・林只次郎は、その鶯たちの師匠役となる鶯・ルリオの後継のことで頭を悩ませていた。そんなある日、只次郎は、満開の桜の下で得意客である大店の主人たちと、一方的に憧れている居酒屋「ぜんや」の別嬪女将・お妙が作った花見弁当を囲み、至福のときを堪能する。しかし、あちこちからお妙に忍びよる男の影が心配で・・。桜色の鯛茶漬け、鴨と葱の椀物、精進料理と、彩り豊かな料理が数々登場する傑作人情小説第二巻。−裏表紙より−
1話毎に只次郎とお妙の視点で交互に描かれるのは、1作目と同じです。
1話目では、「ぜんや」の常連客たちで花見をすることになりました。そこにやって来たのは、只次郎の義姉の父。娘とはなかなか深い溝がありそうです。見た目がイマイチな義姉ですが、子どもたちはかわいく素直に育っているようなので、人柄は良いのかな?と。癖の強い父親と義姉の関係が今後どうなっていくのか? たぶん、これからも出てくることでしょう。
只次郎は、師匠役の鶯・ルリオの後継鳥を探しています。これが今作の大きなテーマとなっています。
ルリオが優秀過ぎてなかなか見つかりません。やっと見つかっても、その鳥が鳴かない・・。これが林家の家計を支えているので、大変な問題です。
お妙は相変わらず謎も多いですが、少しずつ過去が明らかになっています。お勝との関係も近すぎず遠すぎず素敵です。更にお勝の御主人も登場し、彼も良い人そうで今後も楽しみになりました。
今回も美味しそうな料理と客たちの人間模様が面白くて、最後まで楽しめました。次も楽しみにしています。
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