2018年12月12日

ショーニン・マグワイア「不思議の国の少女たち」

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 ショーニン・マグワイア 著
  原島文世 訳
 「不思議の国の少女たち」
 (創元推理文庫)


その学校に入学するのは、異世界に行った、不思議の国のアリスのような子どもばかり。つまり“向こう”に帰りたいと切望する彼らに、現実と折り合うすべを教える学校なのだ。新しい生徒のナンシーもそんなひとり。ところが死者の世界に行った彼女に触発されたかのように、不気味な事件が・・。ヒューゴー賞など3賞受賞、アリスたちの“その後”を描いたファンタジー3部作開幕。―裏表紙より―


面白そうだったので「本が好き!」で申し込みました。


「不思議の国のアリス」のその後みたいな話かと思ったら違いました・・。始まり方も児童文学っぽい雰囲気だったのに、どんどん話が変な方向へ進んだので戸惑ってしまいました。


「不思議の国」ではありますがアリスの話ではないですし、アリスと同じ世界に行った子どもの話でもありません。現実世界とは違う世界に行っていた子どもたちが、現実世界に戻ってから馴染めないので、それを少しずつ慣らしていくために通う学校での話です。

同じように異世界の扉を開いて行ってしまった子ども同士、同じ境遇で話も合うかと思えば、異世界でも色々あるせいで、仲良くしているわけでもなさそうです。

ただ共通しているのは、みんな異世界に戻りたいと思っていること。初めの時と同じように異世界への扉を探し続けているのです。でも頭の隅では「もう戻れない」とも感じています。だからといって、簡単にあきらめきれず、現実世界に馴染むのを拒否してしまっています。

お陰で、なかなかひねくれた喋り方や考え方をする子どもばかり。子どもっぽくない小難しい喋り方をするので、何度も同じ文章を読んでかみ砕かないと進めない感じがしました。

ある程度読み飛ばしても大丈夫なのですが、妙に引っ掛かってしまって・・。


子どもたちが現実世界に馴染めるようになったら終わり、かと思ったら、どうにも不気味な事件が発生!


連続殺人事件に発展していき、誰が犯人なのか?お互いを疑うような状態に。事件が発生してからはどんどん展開が早くなり、あっという間に犯人も判明して、何とも後味の悪い解決法をして終わります。

これで静かに話が終われる・・と思ったら、最後も「これで良かったのかな?」という感じ。

まあ、子どもにとっては幸せなのかもしれませんけど。親にとっては何度も子どもを取られるので辛いだろうな・・。


これをファンタジーとして楽しもうとするのは難しい気がしました。でもファンタジーではありますし。ミステリとしては物足りない感じですし・・。

でも賞を三つもとるくらいですから、私に合わなかっただけで面白いのかもしれません。ぜひ他の方の感想を読んでみたいです。


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