
椹野道流 著
「時をかける眼鏡 王の決意と家臣の初恋」
(集英社文庫)
過去の世界でマーキス王家に力を貸す決意をした医学生の西條遊馬。遊馬は、マーキス王国からポートギース王国に嫁ぐ姫王子・ヴィクトリアのお供の一人として、随行することに。各国の賓客を招き、ポートギース王・ジョアンとヴィクトリアの結婚式が盛大に催される。しかし、盛大な結婚式が行われたその夜、フランク王国の使節が転落死しているのが見つかり・・・?−裏表紙より−
6作目になりました。ヴィクトリア姫と共にポートギースに来ているアスマです。
今回はすっかり死体がおまけのようになってしまいました。
それ以外の部分がボリュームありすぎて、殺人事件はあまりにもあっさり。殺されても仕方ないようなひどいオヤジが被害者というのも原因でしょうけど、容疑者がどうでもいい人だったら多分捜査さえしなかったのでは?というくらい。
でもアスマの存在のために、一作一死体ですからこれは守られるんですね〜。
はっきり言って、事件やその動機や誰が犯人か?なんてことには興味がわきませんでした。事件が起きるまでの、ヴィクトリア姫たちの結婚披露宴の様子の方が面白かったです。
これから改善される予定とはいえ、まだ貧乏なお国ですから、いかにお金をかけずに、でも他国の王や重役たちを招待するからにはある程度豪華にしなければ失礼にあたり、最悪の場合は戦に発展しかねません。
今後の取引を考えてもあまりにも魅力のない国だと思われてしまうと不利になってしまいますし・・。
そこで、アスマの出番。貧しい国ではありますが、特産品はいくつかあるわけで、それを現代の料理にうまく当てはめながら、貧しい食材を奇をてらった演出で盛り上げていきます。
なるほどうまくやったな!と思うような演出がたくさん。今後はこういうイベントの演出を仕事にしていけば?と思ってしまいました。そうすれば、無理やり死体を作らなくても良いわけですし・・。
とりあえずアスマが現世に戻るまで(戻るのか?)は付き合うことにします。
<時をかける眼鏡>
「医学生と、王の死の謎」
「新王と謎の暗殺者」
「眼鏡の帰還と姫王子の結婚」
「王の覚悟と女神の狗」
「華燭の典と妖精の涙」
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