2018年10月12日

妃川螢「お弁当代行屋さんの届けもの」

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 妃川螢 著
 「お弁当代行屋さんの届けもの」
 (富士見L文庫)


フレンチシェフとして活躍した石嵜眞琴が始めた“お弁当代行屋”には、ワケアリの依頼がやってくる。今度のオーダーは事故で母を失って以来、どんなお弁当も食べられなくなってしまった5歳の透のお弁当。眞琴は血のつながらない甥の陽仁とともに、依頼人の思い出からレシピを探り、味付けから盛り付けまで、お母さんのお弁当を再現するのだが・・。  「お弁当を届けにいくんじゃない。想いを届けにいくの」  幼い透が望んだ、本当のこととは―? 心を温かく満たしてくれる、3編のお弁当の物語。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。ネットで感想を読んで面白そうだったので読んでみました。どうやらBL物の作家さんのようですが、この作品はそういう要素はありません。お陰で読みやすかったです。

でも、ページ数の割には時間がかかりました。


「晴れの日には約束のコロッケサンドを」「追憶のきんぴら」「明日をむすぶお花見弁当」の3編が収録されています。

1話目は、アレルギーの強い男の子のお弁当を、亡き母親の代わりに作ることになります。これだけのアレルギーがあって、よくお弁当なんか作れるなと感心しきり。母親ってすごい。

突然、妻を失った夫は息子の食事をどうすれば良いのかわからず、ひたすら手抜き料理に頼ってしまいます。そこで「お弁当代行屋」の出番。・・なのですが、なかなか息子が食べてくれず戸惑ってしまいます。

この話の依頼人がどうにも好きになれず、大変だろうなとか可哀そうな息子だなとか思いながらも読み進められず時間がかかってしまいました。


2話目も亡くなった人の味を再現する依頼。今度は奥さんの味を再現してもらおうとするわけですが、レシピを知っているわけではなく、味も曖昧な記憶しかなく難航します。

想い出の味って、結構美化されているものですしね。ハードルはかなり高いと思われます。これも登場人物たちが底知れない感じでいまいち好きになれず。


3話目は突然、妻から離婚を切り出された中年男性の話。これは涙涙の話で面白かったです。長年夫婦をやっているとお互いのことを思いやるあまり、相手の望まない決断をしそうになるものなんですね。

この夫婦がこれから幸せになれるかどうかは難しいかもしれませんが、この決断で悔いは残らない気がします。それはある意味幸せなのかもしれません。


全編通して美味しそうな料理がたくさん出てきますし、代行屋さんの苦労や工夫は面白くて興味津々で読めました。登場人物たちが好きになれなかったのが残念ではありますが、続きは読もうかな?


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