
西條奈加 著
「秋葉原先留交番 ゆうれい付き」
(角川文庫)
電気とオタクの街―秋葉原。その交番に勤める権田は、筋金入りのオタク警官。対してコンビを組む長身イケメン警官・向谷は頭はからっぽだが、類い稀なコミュニケーション能力の持ち主。ひいては美脚の「足だけの幽霊」を連れてきてしまった。2人は「足子さん」と呼び、彼女の死の理由を探し始める。フィギュア盗難、抱きつき魔、迷子、メイド喫茶のいさかい・・ご当地ならではの「謎」に凸凹警官が挑む、新境地人情ミステリ!−裏表紙より−
東京とは縁のない人生を送っていますし、秋葉原は名前は知っていますしどんな街かは何となく知っていますが一度も行ったことが無い身としては、この話の舞台は想像するしかないわけですが、とりあえずオタクさんとメイドさんがいっぱいいるんだね〜ということはわかりました。日本っぽくない感じ??
そんな秋葉原の交番に勤める権田は、いわゆるオタクさん。交番の控室にはフィギュアやポスターなどを置いているくらいの筋金入り。その手の知識も豊富なので、オタクさんからは頼られる存在です。そして、とても頭が切れる人。事件をスマートに解決していきます。ただ、見た目はぽっちゃり系。
もう一人いる警官は、長身のイケメンで人付き合いもうまくて女性を惹きつけてしまう魅力の持ち主なのに、頭の回転がすこぶる鈍い向谷。
向谷が、女性をエスコートしながら交番に戻って来るところから話は始まります。その女性・季穂の視点で話は進められます。読み始めは普通の女性だと思うのですが、途中から何だかおかしな展開に。
どうやら彼女は幽霊らしい・・。向谷は、霊感が強くて、幽霊になった季穂のことがしっかり見えるのです。でも季穂はどうやら足だけの幽霊みたいです。
足だけなのに周りは見えるし、感情もあるという謎の現象が起きるのですが、まあそこは幽霊なので・・。
でも、さすがに口が無いからしゃべることが出来ず、足だけで何とかコミュニケーションを取らないといけなくて、ガニ股にしたり内股にしたりして、「はい」「いいえ」を伝えることになりました。
名前はわからないから「足子さん」と名付けられてしまいます・・何て安易な!
季穂がなぜ幽霊になったのか、なぜ足だけなのか、この世に未練があるであろう彼女の人生と死の原因を突き止めるために動き始めます。
前半はほぼ季穂とは関係のない事件を解決していくのですが、最後には悲しい事件が明らかにされていきます。結構コミカルに描かれているのについ涙してしまいました。
これで季穂も成仏する・・と思ったら・・・・。
どうやら続きそうな展開。警官二人のことも、足子さんこと季穂のことも気に入ったので、続編が出たらぜひ読みたいです。
足だけでやれることって限られているでしょうが、限界に挑戦してもらいたいものです。
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