
椹野道流 著
「最後の晩ごはん 忘れた夢とマカロニサラダ」
(角川文庫)
兵庫県芦屋市。雨の夜、定食屋「ばんめし屋」を訪れた珍客は、青年の幽霊・塚本だった。元俳優で店員の海里は、店長の夏神たちと事情を聞くことに。なぜか今までのどの幽霊よりも意思疎通できるものの、塚本は「この世に未練などない」と言い切る。けれど成仏できなければ、悪霊になってしまいかねない。困惑する海里たちだが、彼ら自身にも、過去と向き合う瞬間が訪れて・・。優しい涙がとまらない、お料理青春小説第8弾!−裏表紙より−
8作目になり、珍しい展開になっていました。始めの頃は店に霊がやって来るパターンがあって、そこから従業員たちに関連する人たちに憑く霊を何とかするというパターンに変化していたのに、今回はまた珍しいパターン。
店に霊がやって来るのは始めのパターンだったのですが、今回はその霊自身に何の未練も後悔もなくて、自分が霊になったことさえ意外とあっさり受け入れている感じ。
でもこの世にとどまっているからには何か未練があるはずで、このままいたら悪霊になりかねないということで、海里たちも相談にのることに。
とはいえ、ほとんど霊感の無い人にも何となく気配を感じられてしまうくらいの濃い霊なので、店が開店しているときはあまり出てきてもらえませんし、店が閉まっている時間は昼間なのでなかなか出てこれないし・・。
居場所が無いときは、空き家に入り込んだり、川べりに座ったりしているらしい彼。何だかかわいそうになります。
そして題名の通り、マカロニサラダが関連してくるわけですが・・。
マカロニサラダって大好きなんですけど、この話で出てくるのは「みかん缶」入り! ゲ〜ッ!
ポテトサラダにりんごを入れたり、酢豚にパイナップルを入れたり、生ハムメロンとか、本当に嫌なんですよね・・。
おかずに果物を入れるな〜!と声を大にして言いたい! すべての味が台無しになる気がします。
でも意外と人気になったみかん缶入りマカロニサラダ。しばらくは定番の小鉢として出されそうです。
最後の方には、やっと夏神に進展があります。これで少しは立ち直ってくれるかな? 立ち直ってくれないと、海里の将来の話が進まない・・。
<最後の晩ごはん>
「ふるさとだし巻き卵」
「小説家と冷やし中華」
「お兄さんとホットケーキ」
「刑事さんとハンバーグ」
「師匠と弟子のオムライス」
「旧友とおにぎり」
「黒猫とドーナツ」
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