大門剛明 著
「優しき共犯者」
(角川文庫)
父から継いだ製鎖工場で女社長を務める翔子は、倒産した製鉄所の連帯保証債務を押し付けられ、自己破産の危機に追い込まれていた。翔子に想いを寄せるどろ焼き屋の店主・鳴川は金策に走るが、債権者の長山には相手にもされない。その矢先、長山が死体となって発見された。捜査に乗り出した刑事・池内は、殺人犯の他に死体を移動させた共犯者がいると推理するが―。情の鎖がすべてを繋ぐ、社会派ミステリの旗手による傑作長編。−裏表紙より−
どういう展開を見せるのか気になって次々読んでいたはずが、意外と終わらず時間がかかりました。
読者には共犯者がだれか?はわかっていますが、肝心の犯人がわからない・・。きっとあの人、と思う度に違っていて、結局誰なんだ?と気になる展開でした。
話の舞台は姫路。昔住んでいた場所なので、懐かしい地名も出てきてそれも楽しめました。でも「どろ焼き」という食べ物は知らなかったな〜。名前がマズそう・・。
債権者が殺害されたせいで、借金をしている人が疑われるのは当然です。容疑者になる女性が地元で人気となれば、彼女のために殺人さえも犯すのでは?という人がたくさんいて、次々と容疑者になっていきます。
でも1人疑われてはアリバイがあって・・を繰り返してなかなか真犯人が見つかりません。
刑事たちの捜査も難航することに。ベテランの刑事は、真相に何となく気づいても踏み込めない感じがありましたし、若い刑事の方は、事件関係者に特別な因縁があるせいで踏み込めない・・。
本当の話であれば、即刻捜査から外されそうな人たちです。
事件自体はすっきりと終わってくれたのですが、それ以外の部分では「それで良いのか??」と納得いかない展開でした。情けをかけるという意味ではこれで良いのでしょうが、果たしてそれがその人のためになるのか?と思ってしまいました。
その人のためにしっかり罪を償わせるという方がすっきり終われた気がします。
連帯保証人というものを見つめなおすには良い話でした。とにかく、どんなに大切な相手でも、安易にハンコを捺してはいけないってことですね。自分だけではなく、家族や周りの人間にも迷惑がかかってしまいますから。
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