
池井戸潤 著
「銀翼のイカロス」
(文春文庫)
出向先から銀行に復帰した半沢直樹は、破産寸前の巨大航空会社を担当することに。ところが政府主導の再建期間がつきつけてきたのは、なんと500億円もの借金の棒引き!? とても飲めない無茶な話だが、なぜか銀行上層部も敵に回る。銀行内部の大きな闇に直面した半沢の運命やいかに? 無敵の痛快エンタメ第4弾。−裏表紙より−
半沢直樹のシリーズも4作目になりました。花咲舞のシリーズとほぼ同時に発売されて両方手に入れたのですが、一気に両方読んだら混乱しそうなので、こちらは後回しにしました。
今回の半沢は、出向から銀行に戻って来ています。
そしていきなり担当することになったのが、ある航空会社。赤字続きで、どうすれば経営が上向くのか色々案を出すことになります。でも、古い体質が抜けない会社なので、なかなか思い切った改革もできず、悩みはつきません。
そんなとき、今度は政府までが口を出してきます。
数年前にあった“仕分け”っぽい話が出てきます。女性議員が改革に乗り出す感じで話は進むのですが、その部分もあの女性議員が頭に浮かびます。
経営破綻寸前の航空会社も実在のあの会社かな?と浮かびますし、現実に近い形で話が進むのは面白かったです。もちろん、現実とは展開が違うのでしょうが。
銀行を目の敵にしている政治家もいて、しかも政治家の思惑通りに進めようとする動きが強くて、銀行としては言いなりにならざるを得ない状況。
だからこその半沢なんですよね。彼が登場してスカッと解決させてくれるので、読んでいてスッキリしました。
政府に言われたら500億円も諦めるなんてこと、絶対に出来ませんから!
このシリーズを読む度に「銀行って・・」と思わされるのですが、今回はそれに加えて「政治家って・・」更には「大会社って・・」とあきれ果てました。
人間の欲とかプライドって面倒臭いですね。改めてしみじみ思いました。
<バブル入行組シリーズ>
「オレたちバブル入行組」
「オレたち花のバブル組」
「ロスジェネの逆襲」
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