
富樫倫太郎 著
「SROZ 警視庁広域捜査専任特別調査室 ブラックナイト」
(中公文庫)
新宿の闇金業者殺しの現場から、亀戸で遺体となって発見された少年の指紋が見つかった。SRO室長・山根新九郎は、法歯学の調査により少年の発育に遅れがあったことを知る。同じ頃、東京拘置所特別病棟に入院している近藤房子が動き出す。担当看護師を殺人鬼へと調教し、ある指令を出した。そのターゲットとは―。 大人気シリーズ第7弾。−裏表紙より−
久々に房子おばさん活躍の巻。・・・とわかっていたのに、なかなか手が伸びず。房子おばさんの話は、精神状態が安定しているときに読まないと辛いんですよね〜。
房子おばさんは、前回捕まって、一応監視下に置かれてはいるのですが、おとなしくするわけもなく。とはいえ、さすがに簡単には抜け出せず、自分で直接手を下すことはありません。
ではどうやって活躍するのか?というと、新たな人を操って殺人鬼に仕立て上げる!
人って弱い生き物なんだと改めて痛感させられました。
房子を担当している看護師を手なずけるわけですが、彼女は仕事をしながら姑の介護をしているがんばる女性です。自分の親でも介護って大変なのに、血のつながらない姑となるとどんなに大変か・・。想像しただけで大変さがわかります。まだ、姑から感謝されるなら何とか頑張れますが、彼女の場合は姑から文句しか言われない状況。しかも夫は全く手伝わないばかりか、彼女が帰宅するまでの数分間ですら面倒を見られないという役に立たない人。
彼女のことは同情以外わきませんでした。だから殺意を覚える気持ちは何となくわからなくもないのですが、実際に殺すのは・・。一線を越えると落ちていくのも早いんですね。房子おばさんの思う通りに事は運んでいきます。
最後の最後まで掌で転がされ、何の救いもないまま終わりました。
房子おばさんは関係のないところでも、同じくらいエグイ殺人も同時に起こっていました。そちらはSROの捜査で何とか解決。こちらはもしかしたら助かる人もいるのかな?と思える展開でした。
相変わらずSROメンバーは房子おばさんに対しては何も出来ずに終わったので、次はどうなるのかな?・・というか、このシリーズに終わりは来るんだろうか?と心配になりました。捕まえてもこんな結末になるなら、どうしたら良いんだ!?
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