
坂木司 著
「ホリデー・イン」
(文春文庫)
元ヤンキーの大和と小学生の息子・進の期間限定親子生活を描いた「ホリデー」シリーズ。彼らを取り巻く愉快な仕事仲間たち、それぞれの“事情”を紡ぐサイドストーリー。おかまのジャスミンが拾った謎の中年男の正体は? 完璧すぎるホスト・雪夜がムカつく相手って?? ハートウォーミングな6つの物語。―裏表紙より―
番外編のような作品です。読み始めても「誰だっけ?」という人がたくさんいて困りました。ジャスミンのことは覚えていましたけど。
結局最後まで思い出せない人もいたのですが、それはそれで楽しめたかな?
とりあえず、大和と進くんの関係さえわかっていれば大丈夫です。
よくわからない人の話でも面白かったですが、やはり特に良かったのは、ジャスミンの話と進くんの話でした。
進くんが大和に会いに来るまでにどんな葛藤があって、お母さんとどんな会話をして会いに来ることになったのか、そしてどれだけの勇気で店に来たのか、など父親である大和との出会いの話は読んでいて面白かったです。
小学生がこれだけの勇気を出して会うってすごいです。「よくがんばったね〜」と母親目線で思ってしまって半泣きになりました。
そんな進くんを迎えたのがジャスミンだったのも良かったです。
彼女の存在はこの父子にとって大きなもので、彼女がいなければここまでスムーズに会えたかわからなかったと思います。
細やかな心配りが出来るのはさすがです。
今回は大和目線での話は無し。今度は本編を読みたいです。母親と3人で暮らせる日が来ることを願いつつ。
<ホリデーシリーズ>
「ワーキング・ホリデー」
「ウィンター・ホリデー」
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