
高田郁 著
「あきない世傳金と銀<四> 貫流篇」
(ハルキ文庫)
江戸時代中期、長く続いた不況を脱し、景気にも明るい兆しが見え始めた。大坂天満の呉服商、五鈴屋でも、五代目店主の惣次とその女房幸が、力を合わせて順調に商いを広げていた。だが、徐々に幸の商才を疎むようになった惣次は、ある事件をきっかけに著しく誇りを傷つけられ、店主の地位を放り出して姿を消す。二度と戻らない、という惣次の決意を知ったお家さんの富久は、意外な決断を下す。果たしてその決断は五鈴屋を、そして幸を、どのような運命へと誘うのか。大人気シリーズ第四弾!−裏表紙より−
前作、目標も高く掲げ、元々あった商才を活かしながら生き生きと店主として過ごしていた惣次ですが、あらすじにあるように家から出て行きました。
プライド高い男って面倒くさい!とイライラさせられたわけですが、幸はただただうまく支えられ無かった自分を責めるばかり。
そして、まあそうなるだろうな〜という展開になります。読んでいる方なら想像したであろう展開ですね。
自分が幸の立場だったら複雑な心境だろうな・・と思いつつ読み進めました。でも途中からはこれが一番しっくりくる状態なのかな?とも思えました。
幸の商才が発揮されますし、でも女性である幸は表に出ずにいられますし。男性のプライドを傷つけることもありません。ややこしいですけど、これが一番良いのかも。
物が売れにくい時代にどうやって売っていくか、色々な方法を思いつく幸に感心することが何度もありました。
とはいえ、何もかも良い展開というわけではなく、辛い別れもありますし、困難も待ち受けているわけですが。
今回は涙をいっぱい流す羽目になりました。
このままうまくいけば良いのにと思いますが、最後の様子を見るとそうはいかないようで・・。
今度は幸はどんな知恵を絞るのか、楽しみです。
<あきない世傳金と銀>
「源流篇」
「早瀬篇」
「奔流篇」
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