
矢崎存美 著
「海の家のぶたぶた」
(光文社文庫)
町の海水浴場に、ひと夏限定、レトロな外観の海の家ができたという。かき氷が絶品で、店長は料理上手だが、普通の海の家とは違っている。店先にピンクのぶたのぬいぐるみが「いる」のだとか・・?そう、ここはおなじみ、ぶたぶたさんの海の家。一服すれば、子どもの頃の思い出がすうっと蘇ってきて、暑さも吹き飛びますよ。心に染み入る、五編を収録。−裏表紙より−
「海の家うみねこ」「きっと、ぬいぐるみのせい」「こぶたの家」「思い出のない夏」「合コン前夜」の5編収録。
今回のぶたぶたさんは、海の家の店主。海の家か〜、懐かしいな〜と一瞬思ったのですが、よく考えたら思い出なんて一つもなかった・・。子どもの頃、海には連れて行ってもらっていましたけど、海の家には入ったことないです。
何となく小屋みたいな物がいっぱい並んでいるのは見た気がしますけど・・。
というわけで、懐かしい気持ちではなく、いつも通りの気分で読み進めました。
このあらすじ、途中まで読んだらホラーみたいです。ぬいぐるみが「いる」だなんて! 人形ではなくぬいぐるみ、しかもピンクのぶたのぬいぐるみだからホラー感も薄れますけどね。
今回は5つの話なので、つまり5人の人たちがぶたぶたさんに救われ、癒されていきます。もちろん読んでいる自分も癒されますが。
子どもから大人までがぶたのぬいぐるみに癒されるんですよね。何とも不思議な現象です。ぬいぐるみだからというだけではなく、彼の人柄がそうさせるのでしょうが。読む度に会いたいと思わされます。
ぶたぶたさんといえば、美味しい食べ物。今回は海の家なのでかき氷! そういえば今年は食べなかったな・・と思って無性に食べたくなりました。ぶたぶたさんの作るかき氷は本格的でとても美味しそうです。フルーツにもシロップにもこだわっています。大きなかき氷をバレーボール大のぶたぶたさんが運んで来るなんて最高です。
かき氷以外にも焼きそばなど定番の料理もたくさん。全て美味しそうで、食べたくなりました。
ぶたぶたさんは、この海の家をきっかけにして、この町にカフェを開く予定だとか。次回、そのカフェの話になるのかはわかりませんが、個人的には読んでみたいです。
<ぶたぶたさんシリーズ>
「ぶたぶた」
「刑事ぶたぶた」
「ぶたぶたの休日」
「夏の日のぶたぶた」
「クリスマスのぶたぶた」
「ぶたぶた日記」
「ぶたぶたの食卓」
「ぶたぶたのいる場所」
「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」
「訪問者ぶたぶた」
「再びのぶたぶた」
「キッチンぶたぶた」
「ぶたぶたさん」
「ぶたぶたは見た」
「ぶたぶたカフェ」
「ぶたぶた図書館」
「ぶたぶた洋菓子店」
「ぶたぶたのお医者さん」
「ぶたぶたの本屋さん」
「ぶたぶたのおかわり!」
「学校のぶたぶた」
「ぶたぶたの甘いもの」
「ドクターぶたぶた」
「ぶたぶたの花束」
「居酒屋ぶたぶた」
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