
森沢明夫 著
「ミーコの宝箱」
(光文社文庫)
ミーコは風俗と福祉の仕事を両立しながら娘のチーコを育てるシングルマザーだ。幼い頃に両親に見捨てられ、躾の厳しい祖母との関係に苦しんだ過去を持つ。苦労の絶えないミーコだが、彼女の特技は、毎日一つ、小さく光る宝物を見つけること。ミーコの宝箱に入っている、一番大切な宝物とは・・。一人の女性の半生を通して、母と子、人と人の絆を温かく描き出す。−裏表紙より−
読み終わってすぐは色々と感想が出てきていたはずなのに、何日も経ってしまった今となってはあまり感想が出てこないくらい、私の中では印象の薄い内容でした。
一話目で、読むのをやめようか?と思うような描写があって、かなり引いてしまいましたが、それを超えると大丈夫でした。
ミーコという女性が大人になるまでどんな人生を歩んで来たか?が主に描かれているわけですが、本人が言うほど虐待されていたようには思えませんでしたし、祖母が厳しくても祖父は助けてくれたわけで、ある意味愛情たっぷりに育ててもらったんじゃないかな?と思うと、それほど重い内容でもなく、どうして彼女の半生を描こうと思ったのかな?と読みながら疑問を感じてしまいました。
確かに両親に捨てられるという体験は、子どもにとってかなり大きなことで、心に消えない傷を負うことでしょう。でもそれに代わる愛情をもらったのだから良いのでは?と思います。
実際、ミーコは毎日一つ宝物を見つけて集める、という素敵なことを実行するような良い人に育っているわけで、娘も真っすぐ育っているようですし、問題無さそう。
ただまあ、男性運は無いのかも? それも彼女のやさしさが生んだ結果なので、何とも言えませんが。
ミーコの祖母がミーコに対する気持ちを祖父に話す場面では泣きそうになりましたが、それ以外は泣きそうにもならず。
そんな感じで、最後まで何となくふわっとした雰囲気の中進んで行って終わった・・というのが私の感想かな?
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