2017年06月05日

安住洋子「しずり雪」

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 安住洋子 著
 「しずり雪」
 (小学館文庫)


老中・水野忠邦の改革が始まり、苛烈な奢侈取り締まりで江戸庶民たちの心も暮らしも冷え切っていた。幼なじみの小夜と所帯を持ったばかりの蒔絵職人・孝太も、すっかり仕事が途絶え、苦しんでいる。そこへしばらく連絡もなかった幼い頃の友達が、ご禁制の仕事を持ち込んできた―。切ないほどの愛、友情、そして人情。長塚節文学賞短編小説部門大賞を受賞した表題作「しずり雪」ほか、三編を収録。人生の哀感に心が震える、珠玉の時代小説集。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。ネットでの評判通り、読みやすくて温かい物語でした。


短編になっていて、どれも印象的で面白かったですが、表題作の「しずり雪」を読んだときには、もっと長く読んでいたいと思いました。

短い話なのに、登場人物たちに対して思い入れたっぷりになってしまい、離れがたくなったんですよね。この先、この2人はどうやって生きていくんだろう?と心配にもなりましたし。

でも次の話に入ると、また次の登場人物たちに引き込まれていき、彼らの心配をしてしまう自分がいました。


全ての短編に、「友五郎」という岡っ引きが出てきますが、彼がまた良いんです。ちょっと不器用な感じではあるのですが、心遣いはとても細かくて、義理人情に篤い人。

彼の言葉で救われたり、勇気づけられる人がたくさんいます。彼の心の内を読んでほろりとさせられる部分もたくさんありました。


どの話にも不器用に真っすぐにしか生きられない人たちが出てきて、読むと苦しくなる所もあります。でもそんな人たちが救われていくラストになっていて、どれも温かい気持ちになれる話でした。

時代が違ったらもっと楽に生きられたかもしれない人もいて、切なくなることもありました。もっと楽に生きられる時代だったら良かったのに。


この作家さん、かなりお気に入りになったので、次も探して読んでみようと思います。なぜかなかなか見つからないのですが・・。


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タグ:安住洋子
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