
ロバート・クレイス 著
高橋恭美子 訳
「容疑者」
(創元推理文庫)
ロス市警の刑事スコットは相棒とパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、相棒は死亡、スコットも重傷を負った。事件から九カ月半、犯人はいまだに捕まっていない。警備中隊へ配属となったスコットはそこで新たな相棒―スコットと同様に、大切な相棒を失ったシェパード、マギー―に出会った。アメリカ探偵作家クラブの生涯功労賞を受賞した著者の大作登場。―裏表紙より―
初めましての作家さんです。
何だか久しぶりの海外小説で、相変わらず物覚えの悪い私らしく、登場人物一覧を指で挟みつつ読みました。
いきなり、シェパード・マギーが相棒を失う場面から始まります。マギーの視点と気持ちが描かれているので、読んでいて心が痛くなってしまいました・・。
心と身体に傷を負ったマギーがどうなったのか?と次の章に進むと、今度は刑事2人がパトロールしている場面に。どうやらこの2人はカップルなのかな?と思っている間に銃撃戦が始まってしまい、女性警官が亡くなってしまいます。
生き残ったスコットも重傷を負い、恋人も失ってしまった心の傷を抱えてしまいます。
そしてスコットとマギーが出会うんだね?・・と読み進めてみても、なかなか出会わず、そこまでがちょっと読みにくい感じでした。早く出会わないと、スコットが壊れてしまいそう・・と思ったらやっと出会いが。
同じように大事な相棒を失くした者同士、とはいえ、片方は動物ですからそう簡単には仲良くなれるはずもなく。
更にスコットは元々動物に慣れていたわけでもないので、時間がかかってしまいます。
教官の教えを忠実に守りつつ、時間をかけてゆっくりとマギーとの関係を深めていくスコット。
2人がどんどん心を通わせていく様子は、とても穏やかで幸せな気持ちにさせられました。とはいえ、殺人事件の捜査という重いテーマが背後にあるのでそこまでほのぼのできたわけではないですが。
どうやって2人が事件を解決していくのか、どんな活躍を見せてくれるのかを楽しみにしながら読み進めているうちに終わってしまった、という感じでした。
どうやら続編も発売されるそうで、スコットとマギーの関係が今後どんな風に深くなっていくのか、楽しみになりました。
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