2017年05月15日

穂高明「これからの誕生日」

ISBN978-4-575-51659-3.jpg

 穂高明 著
 「これからの誕生日」
 (双葉文庫)


千春はバス事故で友人たちや教師を失った。一人生き残った罪悪感に苛まれ、引きこもりがちになる。そんな千春を取り巻く人々―弟、伯母、担任教師、亡くなった友人の母親、新聞記者、ケーキ店の店主―の視点で、ひとが新たな一歩を踏み出してゆくまでの道のりを丹念に辿ってゆく。明日を生きるための強さを優しく描きだした連作短編集。−裏表紙より−


初めましての作家さんです。ネットの評判が良くて読むことにしました。

内容が重くて、どんな風に感想をまとめたら良いのか、はっきり言って今でもよくわからないです。

バス事故にあって、同じ部活の友人たちや顧問の先生が全員亡くなって、1人だけ奇跡的に助かった少女の話なのですが、もし自分が彼女の立場だったらどう思うだろう?とずっと考えながら読んでいて、どんどん苦しくなっていきました。

あらすじにあるように、短編の一つ一つに違う人から見た少女の姿が描かれていて、一話毎に「じゃあ、この人の立場で少女を見たら自分はどう思うんだろう?」という考えもわいてきて、頭の中がごちゃごちゃになりました。

もし自分一人が生き残ったら、絶対に「どうして自分だけが?」という気持ちにはなるでしょうし、どうしても「生き残ってごめんなさい」という気持ちにもなると思います。同じ学校に通い続けるなんてこと、出来ないと思います。

この少女の場合は、母親もちょっと問題ありな人なので転校という選択肢も無く、引きこもってしまう気持ちもよくわかります。・・が、何だかこの少女、どこか可愛げが無いというか最後まで好きになれなかったんですよね。自分でもどこが気になったのかわかりませんが。

そして、周りの人たちの対応も嫌悪感しかわかず。ただまあ、遺族が「どうしてうちの子ではなく、あの子が生き残ったんだ!」と怒りを募らせる気持ちはわかるんですよ。でも、その思いを彼女にぶつけるのはどうなんだろう?と思ってしまいます。愛想よく接する必要もないですけど、辛く当たらなくても・・と思いました。

家族の対応もイマイチ納得できませんでした。弟はともかく、伯母さんも母親もどうしてそんな接し方?と疑問がわきました。

色々な人間模様が読めたのは良かったですし、実際にこういう体験をしたことがあるわけではないので、自分がどんな対応するかもわかりません。だからこういう反応もあることなのかもしれません。・・が、読んでいて不快なことがたくさんありました。

最後にはどうやら立ち直ってくれそうな雰囲気になって良かったです。あまりにもあっさりとはしていましたが。

ただ純粋に涙を流して終わるような話ではありませんでした。


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タグ:穂高明
posted by DONA at 13:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:その他
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