2017年04月26日

高田郁「あきない世傳金と銀<三> 奔流篇」

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 高田郁 著
 「あきない世傳金と銀<三> 奔流篇」
 (ハルキ文庫)


大坂天満の呉服商「五鈴屋」の女衆だった幸は、その聡明さを買われ、店主・四代目徳兵衛の後添いに迎えられるものの、夫を不慮の事故で失い、十七歳で寡婦となる。四代目の弟の惣次は「幸を娶ることを条件に、五代目を継ぐ」と宣言。果たして幸は如何なる決断をし、どのように商いとかかわっていくのか。また、商い戦国時代とも評される困難な時代にあって、五鈴屋はどのような手立てで商いを広げていくのか。奔流に飲み込まれたかのような幸、そして五鈴屋の運命は? 大好評シリーズ、待望の第三弾!−裏表紙より−


前作で未亡人となってしまった幸。でも四代目とは厳密には夫婦と言えないような浅い関係だったので、特に落ち込むこともなくぼんやりとその関係は終了。

そして、今度は五代目の妻に!? という所で終わっていました。

店主となる男性が言い出したら、この時代の女性に選択権はなく、当然そういう流れになるよね〜ということです。

今度こそ、賢い幸の出番かな?と思ったら、またまた色々あるんですよね・・。

その辺りはネタバレになるので書きませんが、この時代だからこそ女性の在り方が難しいなと改めて感じる展開でした。

女性は出しゃばってはいけないんです。常に男性の後ろで陰で支えていく存在でなければなりません。ただ求められるのは子どもを産むこと。しかも後継ぎとなる男子を。

賢さは隠して、でも気遣いは大切で、家の中や外にも気を配って、でも夫より目立たないように。本当に女性って難しいです。

幸の聡明さはこの時代には損なことですね。良いアイデアを思いついても、いかに夫の面目をつぶさずに伝えるかを考えないといけませんし、前面に出て動くわけにもいきませんし、でも口を出さないと店はつぶれそう・・。

幸が男性ならとどれだけ思ったか。

最後も何とも驚きの展開になっていたので、次でどうなっていくのか楽しみなような不安なような複雑な気持ちで読み終えました。今度こそ幸の手腕が発揮されると良いのですが。

<あきない世傳金と銀>
「源流篇」
「早瀬篇」


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posted by DONA at 14:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:高田郁
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