
伊吹有喜 著
「情熱のナポリタン BAR追分」
(ハルキ文庫)
かつて新宿追分と呼ばれた街の、<ねこみち横丁>という路地の奥に「BAR追分」はある。<ねこみち横丁>振興会の管理人をしながら脚本家を目指す宇藤輝良は、コンクールに応募するためのシナリオを描き上げたものの、悩んでいることがあって・・。両親の離婚で離れた暮らす兄弟、一人息子を育てるシングルマザー、劇団仲間に才能の差を感じ始めた男―人生の分岐点に立った人々が集う「BAR追分」。客たちの心も胃袋もぐっと掴んで離さない癒しの酒場に、あなたも立ち寄ってみませんか?大人気シリーズ第三弾。−裏表紙より−
「お好み焼き大戦」「秋の親子丼」「蜜柑の子」「情熱のナポリタン」の4編が収録されています。
一作目では陰の薄かった宇藤くんが、二作目で少し目立って来てイケメンだとわかってきたのですが、今作では頑固だけどウジウジした所もあるようなちょっと性格がわかりにくくくなってきました。
ある意味、人間らしくなった感じではあるのですが、一筋縄ではいかないようなつかみどころのない感じかな?と。
悩んで人に相談しておきながら、意見を言われると否定したがるところがあって、そういう部分は読んでいてイラっとしました。
一応、作品を仕上げた彼ですが、深い描写が出来ていないということで、そこから悩んでしまいます。まあそんなに簡単に自信作が仕上がったら苦労はしないですけどね。
専門的な意見で助けようとする人、遠回しに助けようとする人、様々ですが、この横丁の人たちはみんな宇藤くんのことが気に入っていて、彼に何とか成功してもらいたいと思っているんです。
たまに、辛辣な意見をぶつけることもあって、宇藤くんは落ち込んでしまうのですが、気づけば立ち直っている感じ。特別何かきっかけがあるわけでもなく、何となく前向きになっている感じです。
今回も色々なお客さんがやって来て、ものすごく美味しそうな食べ物を食べて去っていきます。ナポリタンってあまり好きではないですが、無性に食べたくなりました。
カウンターだけのお店って入りにくいですけど、このBARなら行きたいなと思います。
たぶん、続きも書かれると思うので、楽しみに待つことにします。
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